第8話 知り合いの窮地の時はタダで霊力使ってしまう件

今日はかぁちゃまがカフェに連れて行ってくれるっていうので、

すずひよも車に乗ってスタンバイ!


ねーたん!カフェってオイシイ?


ん、カフェは間違いなくオイシイ!

私達用のメニューもあるとこ行くはず!


そなの!ワーイ!ひより初めてだからすごく楽しみっ!

イケメンいる?


あ…んとね。イケメン…ん?


見慣れたイケメンでない人ならいるよ!


かぁちゃま…それって…?


そう!ま、ひよりは行ってからのお楽しみだね!


お楽しみだって?


ひより、イケメンいないならオイシイだけでいい!


とても良い天気でお花見日和。桜の間を抜けてお目当てのカフェに到着!


「いらっしゃ…って なんだ かや来たのか?」


「念願のすずひよ連れてきてあげたわよ。」


「おおーーっ!すずひよ!良く来た!良く来た!何食べたい?」


達哉パパじゃん…


ひより、期待以上だった?


期待以上!がっかり度が…!ねーたんも知ってたら教えてくれたらいいのに…


ひよりはイケメンより美味しいものがあればいいのかと思って…。

それに達哉パパ好きじゃん。


そーだよ。そーだけど、カフェだからイケメン期待したのに。


「それにしてもかやがここに来るなんて珍しいね。」


「ちょっとね…。」


「何かあった?」


「それを言いたいのは私!」


「怒ってる様に感じるんだけど、気のせい?」


「うんにゃ!気のせいじゃない!怒ってるよ!」


「えっ?!俺なにかした?こないだまで実家に帰ってたから、かやに迷惑かけるようなこと何も…」


「そーだね。実際に会っちゃいないよね。」


「だろ?なのになんでだよ?」


「達哉…その実家に帰ってた16日の夜すごく体調悪くなったでしょ?」


「あーあれか。急にめまいがして、従弟も顔色が悪いっていって寝込んでた。」


「だろうね…。」


「ってなんで、離れてたのに何で知ってるんだよ。」


「寝込んだあと、どうしたか覚えてる?」


「朝起きたら絶好調だった!」


「そうでしょ、そうでしょ。」


「なんだよ、意味深な言い方するなぁ。」


あ!かぁちゃま!それってこないだ言ってた『達哉に襲われた』って話?


「そう!達哉に襲われたって話。すずな良く覚えてたね。」


不思議な話だから気になってた~


「だからさ、俺がかやを襲ったって何?人聞きの悪い…」


「何それ…達哉がそんなこと言っていいの?」


「いやだから、何があったか教えてくれよ!」


「16日深夜。寝てたらさ、真っ青な顔して突然 達哉が来たの。幽体離脱して…」



「どうしたの?」って声をかけでも無言で近づいて来て

後ろから抱きしめたんだよ。

あまりに普通じゃないから体調悪いんだと思って

「霊力出力するからちょっと待って。」

って癒しのオーラ全開にして包み込んだところで私も寝てしまってたの。


その時、かぁちゃまね『達哉…死んでないよね』って心配してたよね。


うん、してた!


「そう私は状況も分からないままに治してあげた上に心配もしてあげたんだ。タダで!」


「そんなこと言われても俺は頼んでないけど…。でも会ってもないのに状況が分かってたってことは俺自身が助けを求めに行たんだろうね。」


「だろうね、じゃなくて来てたの。」


「日時ピッタリだもんなぁ。かやの霊力って凄いよな」


「ありがと。その後体調は?」


「絶好調だぜっ!」


「そういえば、スタッフの友野君は?」


「友野は昨日から登山に行ってる。」


「えっ?登山?」


すずな…登山って最近かぁちゃまが危険って言ってたよね?


うん、言ってた!


「一昨日から城山岳に行くって…」


「あーーもう!だからさぁ前から言ってる通り山に行く時は声かけてよ!」


「何で?かや行かないだろ?」


「そうじゃなくて!今は山の神霊がざわついてて怪我しやすいんだってば!」


「そんなことあるのか?」


「あるっ!注意するように連絡取れない?」


「山の上の方だと圏外かもしれないけど…」


不意に達哉のスマホから着信のメロディーが…


「おおーーっ!友野ちょうど話題になってたとこだ。山はどうだ?」


「あ、あの喜山さん…。それが山に入ってすぐに登山用のガスボンベが爆発して…。」


「なんだって?大丈夫なのか?」


「幸い軽傷だったんで、大丈夫です。」


「そうか…それなら良かった。でもガスボンベって爆発するのか?」


「そこなんですよ。普通ならそんなことないはずなんですけどね…。」


「まぁ無事で良かった。少し休んでていいからな。」


達哉パパは電話を切ってかぁちゃまに


「軽傷だけど怪我したみたいだ…。」


「だから先に言ってって言ってるのに!」


「言ってたら大丈夫だったのか?」


「たぶんね。向こう(山の神霊)に加護をお願いできたはず。」


「何それ?友達か何かか?」


「あの山には天狗がいてね。小天狗もいてね。可愛いのよ(ハート)」


「かや…お前やっぱり普通じゃないな。でも当たってるから認めるしかないよなぁ。」


「でしょ。だから治療費ちょうだい!」


「おいっ!」


「いいじゃん。可愛いすずひよに一杯食べさせてやってよ!」


すずな食べたい!


ひよりも!


「ほら2人もこんなに訴えてるし、ね?」


「仕方ないなぁ、すずひよには勝てないからなぁ。」


「あースッキリした!思わぬところでただ働きさせられて納得いかなかったんだわ。」


「お前なぁ…」


「ん?何かご不満でも?」


「まぁ今回は知らない間に世話になったみたいだし、かやも好きなもの注文しな!

すずひよは大好きな『〇~る』出してやるから待ってろ!」


やったーー!ひより良かったね!


うんうん。幸せがきたーー!


「すずひよ、カフェ好き?」


大好き!

大好き!

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