第29話 新必殺技を試した
タキシードから戦闘用の装備に着替えて、城の外へ。
城でパーティが始まるってタイミングで、魔物が襲ってきた。なにか、胸騒ぎがする。
「クロードさん、王様を頼みます!」
念のため、クロードさんには残ってもらう。
いちいち階段を降りるのは、時間が惜しい。僕は、廊下の窓から飛び出した。みんなも、同じようにジャンプしている。考えることは一緒か。
塀を飛び越え、草むらへ出ていく。
「アユム、あそこよ!」
エリちゃんが、草原でモンスターに囲まれている男女を発見する。
複数の兵士と共に戦っていた。しかし、劣勢を強いられている。加勢に入った城の兵隊たちも、何人かやられていた。
あれが、ゴーチエ王子だという。
遠いな。ここからでは、魔法でないと届かない。新技を試すか。今まで武器が魔法に耐えられず、使えなかった。
実際シルヴェーヌ王女を護衛する道中で、魔物を相手に技を試している。そのときも僕は、武器を何本か魔法で溶かしていた。
けど、ドワーフの武器なら問題ないだろう。
「
剣に属性魔法をまとわせて、衝撃波のように放出する。
こちらが放った光にモンスターも反応したが、その瞬間に消し炭となった。
さすが、ドワーフ特製の武器だ。ショートソードでも、すごい耐久力である。
「もう一発。閃空斬・氷!」
返す刀で、氷属性の衝撃波を撃った。
凍ったモンスターを、マルちゃんが投げナイフを放って砕く。
だが、ゴーレムのような大型モンスターには効かない。
「ちょっと試すよ、マルちゃん。関節を狙って撃って!」
「おう!」
マルちゃんが、僕の合図でナイフを投げた。
指ほどのサイズのナイフが、巨大なモンスターの関節に突き刺さる。すさまじいコントロールだ。
「閃空斬・雷!」
雷属性の波動を、投げナイフに向けて撃った。
ナイフが避雷針となって、ゴーレムの腕を破壊する。
ゴーレムが、目から光線を放ってきた。
「うお!?」
僕はとっさに、円盤型の盾で防ぐ。避けなければいけない局面だが、なんだかいける気がした。
光線が反射し、逆にゴーレムのつま先を溶かす。
これは、いけるかもしれない。
「シールド・バッシュ!」
円形の盾を、ゴーレムの目に投げつけた。
ゴーレムの鼻先に当たって、顔が砕ける。コアらしきものが、露出した。
しかし、ゴーレムは顔を手で覆ってしまう。このスキマを縫うには……。
「閃空斬!」
無属性の魔力衝撃波を、盾に撃ち込む。
盾を反射して、衝撃波がゴーレムの横っ面に衝突した。ゴーレムの手や指のスキマを抜けて、内部のコアを砕く。
ゴーレムは、バラバラに。
「へえ、なかなかいいカンジじゃないの」
パチパチと手をたたきながら、異形の宇宙人が姿を表す。
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