完結後・番外編 『 妻と過ごすバレンタイン 』

【まえがき】

完結後も多くの読者に読んでいただいている事に感謝してます。この話はささやかなお礼といいますか、ただ作者が久しぶりに「この夫婦がいちゃいちゃしてるの書きてぇなぁ」という気持ちで書いた話です。てなわけで晴と美月が過ごす初めてのバレタインのお話。ご堪能あれぇぇぇぇ~~~~。

==========



 本日は世間でいうところの〝バレンタイン〟という日。


 バレンタイン、とは主に欧米にて毎年2月14日に行われるカップルが愛を祝う日と定義されている。中には家族や友人同士で祝う者もいるようだ。


 そんな特別の日に、結婚しているにも関わらずパソコンに向かっている男がいた。

 彼の名前は『八雲晴』。年齢は25歳で、職業は作家。ジャンルはライトノベルで主にラブコメディーを中心に活躍している。


 そんな晴という執筆大好き人間は、日中は癖なのか部屋の電気を点けることはなく、薄暗い部屋で自分が満足するまでキーボードを叩き続ける。以前、そんな様子を妻にたまたま見られた際、大いに驚愕され、さらには呆れられたというのに、この男は懲りずに続けている。


 世間はバレンタイン。学生は下駄箱にチョコが入ってないか登校中はそわそわしっぱなしで、今日は一日中女子との会話でそわそわする日。

 世間は平日。世の中のサラリーマンやOLは既に出勤していて、サラリーマンは朝から多忙でバレタインなんてイベント楽しむ暇もなく、OLは好意を寄せている男性にワンチャンを狙ってそわそわしている日。

 八雲晴のバレンタインは平日。飽きることなく今日も今日とて執筆に勤しみ、休憩時間に飼い猫であるエクレアと戯れて、また執筆に戻る。


 世間はバレンタイン。学生たちは「あ、今年も母さんと姉ちゃんから貰った2個だけか」とそろそろ悟り始める時間帯。

 世間は平日。サラリーマンはストレスで禿げそうになり、OLは気になっていた先輩にチョコを受け取ってもらえて気分上々。

 八雲晴のバレンタインは日常の延長線。もはや今日がバレンタインなんてイベント忘れていて、朝妙に妻がそわそわしていたことにも気づいていない。


 八雲晴の日常は多忙。最近は新作の次巻を書き始め、既刊である作品、『微熱に浮かされるキミと』が今年で完結を迎える。最近では動画出演して、それが巷で話題となり各書店からサイン会を開いて欲しいと依頼が殺到している。……まぁ、それは全部断っているが。


 八雲晴の日常は順風満帆だ。それなりに設備が整ったマンションで、やり甲斐のある仕事を続けられて、飼い猫と戯れて、絶品料理を作る可愛い妻もいる。

 充実を体現したような日常は、今日という特別な日、バレンタインを以て更に充実する。



「はい、晴さん。ハッピーバレンタイン」

「――――」


 夜。妻――八雲美月が学校から帰って来てから夕飯を食べ終わって一時間ほどが経った頃。

 そろそろ風呂でも入るかと思っていたところで、美月がリボンを装飾した箱を渡してきた。


「なんですか、その「あ、そっか。今日はバレンタインか」という顔は」

「一言一句その通りだ。そうか。今日はバレンタインか」

「まさか、今の今まで忘れてたんですか」


 美月が大仰に呆れる。


「スマホ見てたらバレンタイン記事の一つや二つ見出しで出てるでしょう」

「生憎今日はトイッターも動画も見てない」

「だから忘れていたと」

「何年間バレンタインと無縁の人生を過ごしてきたと思ってるんだ」


 と言い返すと、美月は「そういえば」と顎に手置いて呟いた。


「ミケさん。一緒にチョコを作った時に「一度もチョコなんて渡したことがない」って言ってたな」

「ちなみに、俺はミケさんから一度もチョコを貰ったことがないからな」

「本当に不思議な関係ですよね二人は。男女間の友達なら、普通はそういうのがあったりしていいんじゃないですか」

「ミケさんは料理より絵が得意だから。たぶん、今日もバレンタイン特別イラスト書いてネットに上げてるんじゃないか」

「上げてましたよ。お昼に冬真くんが発狂してました。「神様ありがとうございます!」って」

「その神様が今は冬真くんの恋人のはずなんだけどな」


 先月、念願叶って恋人となった冬真とミケ。超有名イラストレータと冴えない男子高校生が付き合うとかどんなラブコメかよ、とは今でも思っているが、関係は晴たちが思っている以上に順調に進んでいるようだ。ミケから聞いた話だが、既に冬真との初体験は済んだとか。


「ミケ先生、ちゃんと冬真くんにチョコあげるんだろうか」

「それについては問題ないですよ。ちゃんと手作りチョコを渡すみたいです。その為に詩織さんの家でチョコ作りもしましたしね」

「あぁ、そういえば一昨日帰りが遅かったな」


 つまり、そういうことだろう。


「じゃあこれは、件の詩織さん家で作ったやつか」


 となんとなく想像がついて言及すると、美月は「いいえ」と首を横に振った。


「私が詩織さんの家で作ったのは友チョコ用で、これは昨日作りました」

「いつ作ってたんだ?」

「晴さんが眠ったあとこっそり」


 答えた美月はしてやったりといった風に笑った。

 そういえば、今日の朝は自分の部屋から出てきたなと思い出す。最近では週の大半、美月と共寝しているのだが、夜ベッドに潜り込んできた美月が朝起きた時には見当たらず不信に思っていた。


「俺はてっきり眠れなくて自分の部屋に移動したんだと思ってたんだが、まさか夜中にバレタイン用のチョコを作ってるとはな」

「ふふ。晴さんが起きてこないか冷や冷やしながら作ってました」

「なら詩織さん家で作ってくればよかっただろ?」


 そう言えば、美月は「だって」と微笑みを浮かべて告げた。


「今年のバレンタインは、貴方に初めて贈る大切な日ですから。だから、特別なものを送りたかったんです」


 理由が可愛かった。


「わぷっ……なんで急に抱きしめるんですか?」

「理由が可愛くてついな。つい条件反射で抱きしめてしまった」

「あらあら。そんなに妻にバレンタインチョコを貰えて嬉しかったんですか?」

「他の誰でもないお前からの贈り物だからな。嬉しいよ」

「そ、そう素直に肯定されると照れてしまうんですけど」


 ぎゅっと抱きしめられている美月の頬が朱に染まる。

 照れている美月の動揺を楽しみつつ、晴はテーブルに置かれたバレンタインチョコに視線を移した。


「早速開けて食べていいか」

「もちろん。その為に持ってきたんですから」


 美月からの首肯をもらって、リボンが装飾された箱を開く。

 中身は何かわくわくしながら開けると、


「……生チョコか?」

「そうですよ」


 美月からのバレタインチョコは生チョコレートだった。形はハート型ではなく市販でよく見る正方形型で、美月らしくシンプルだが手の込んでいるものだった。


「よくもまぁこんな大層なものを一晩で作るな」


 手に取ってまじまじと見ながら呟けば、美月は「言ったでしょう」と微笑みながら、


「貴方に初めて贈るバレンタインチョコ。なら特別なものにしないとダメですから」

「お前から貰えるだけで全部特別なんだけどな」


 こうして思いやりの込められたものを贈られると、なんだか胸の辺りがそわそわしてしまう。けれど、それ以上に胸が幸福感で満たされていく。

 もう一度美月を抱きしめたくなるが、その気持ちはぐっと堪えつつ、


「食べていいよな?」

「ご飯を待ちきれない犬みたいな顔ですね。いいですよ。中にフォークが入ってますからすぐに食べられます。私は紅茶を用意してきますので」


 微笑を浮かべつつ、美月は一度リビングの方へ歩いて行った。

 そして数分後。カップを持って戻ってきた美月はきょとんと小首を傾げた。


「あれ、食べないんですか?」

「せっかくなら、作ってくれた本人の前で食べようかと」

「うっ。それが少し嫌だったから先に食べてもらおうと思ったのに」

「試食はしてるんだろ?」


 美月は紅茶をテーブルに置きながらこくりと頷いた。


「当然ですよ。晴さんには美味しいものを食べて欲しいので」

「なら美味いってことは確定してる。それに、お前が作ってくれた料理で不味いものなんて一つもなかった」


 だから、この生チョコもきっと絶品なのだろう。それに、美月が夜更かしまでして作ってくれたものだ。例え分量とかが間違って苦くても完食する。

 という訳で、作ってくれた本人の前でいざ実食といこう。

 晴の顔を緊張しながら見守っている美月を横目で見つつ、晴はフォークを手に持つとそのまま生チョコを一つ指して取る。

 見守っている美月の目が段々と血走っていく様子に苦笑しながら、晴はいよいよ生チョコを口に運んだ。


「ど、どうでしょうか?」

「やっぱ美味い」

「よかったぁ」


 数口噛んだのを見届けてから感想を聞いてきた美月に、晴は親指を立てた。

 素朴な感想に、けれど美月は大きな安堵の息をこぼす。


「一口噛むごとにチョコの甘味とココアパウダーの苦みが程よく効いてずっと味わっていられる。生チョコだから噛み応えもいいし……紅茶にもよく合う」


 咀嚼して、口直しに紅茶を飲むともう一度あの甘味が欲しくなる。

 手が勝手にもう一つ生チョコを取っていて、体が糖分を求めて生チョコを口に放り込ませる。

 永久機関がごとく生チョコを食べ進めていく晴を、隣で見守っている美月は嬉しそうに眺めていた。


「お前も食べるか?」

「私は大丈夫です。この一週間、試作品のチョコをたくさん食べたので、今はあまりチョコを食べる気にならなくて」

「そうか」


 詩織の家でもバレンタイン用のチョコを作り、そして家では晴の為に試作品を作っては食べて、改良を重ねていく日々を続けたのだろう。そうなればチョコレートに飽きが来るのも不思議ではない。

 こんなに美味いのに独り占めは勿体ない気がするな、とは思いながらも、食欲がない相手に進めるのも悪い。なので、自分の為に作ってくれたバレンタインチョコは有難く全て胃に収めることにした。


「うまうま」

「ふふっ。貴方は本当に美味しそうに食べてくれますね」


 もぐもぐと食べ進めていく晴を、美月は慈愛を瞳に宿しながら眺めるのだった。



「ふぅ。ごちそうさま。美味かった」

「おそまつさまでした」


 美月に見守られながら生チョコを完食し終えて、晴は満足げな吐息をこぼす。


「夕飯もしっかり食べたのに全部食べてしまうとは、やはり晴さんは見かけによらず胃が大きい人ですね」

「デザートは別腹って言葉があるだろ。それだ」

「それでもあれだけ食べたら多少はお腹が膨れると思うんですが……あ、ちょっと張ってる」

「チョコ食べた直後の人の腹を押すな」


 不思議そうな顔をして美月がお腹を触って来て、晴は不快気に眉根を寄せる。


「ありがとな美月。バレンタインチョコくれて」

「夫婦なんだから贈るのは当然ですよ。でも、ホワイトデーは期待してますよ」

「今から考えとく」


 これはお返しが大変そうだ。

 悪戯な笑みを浮かべる美月に、晴は苦笑で応える。


「でも、私は晴さんから今ままでも色々とたくさんもらっているので、あまり気合の入ったものじゃなくていいですよ」

「俺がお前にあげてるのはぬいぐるみとかアクセサリーくらいだろ」


 それも慎と街へ出掛けた時に寄ったクレーンゲームでの収穫品だったり、たまたま美月に似合いそうな物を見つけて無意識に買っていたものだ。

 それに感謝されるのも違和感があると言えば、美月は「そんなことない」と首を横に振った。


「理由はなんであれ、私にとっては貴方からの大切な贈り物であることには変わりありませんから。全部大切で、全部愛しいものです」


 その言葉になんだか気恥ずかしくなって、晴はぽりぽりと頬を掻く。


「ふふ。照れてる」

「うるさい」

「どうですか。私がいつも味わってる気分は」

「胸がそわそわするな」


「でしょう」と美月が嬉しそうに笑う。

 どうやら、日頃味わっている感情を晴に仕返しできて喜んでいるみたいだ。


「お前が俺の言葉でよく顔を赤くする理由が分かった気がするわ」

「分かったらよろしい。でも、恥ずかしくても嬉しいので、褒め続けてくれると嬉しいです」

「それは続けるつもり……つーか、俺としては思ったことがそのまま口に出てるだけなんだけどな」

「それが嬉しくもあり、恥ずかしくもあるんですよ」


 言って、お互い笑い合う。


「……ねぇ、晴さん」

「なんだ?」

「今日はバレンタインですよね。女の子が、男の子にチョコを贈る日」

「そうだな」


 少しだけ静かになった声音に、晴は不思議に思いながら応じていく。


「それじゃあ、夫婦はその後、どうするのが正解なんでしょうか」

「…………」


 なんとなく、なんとなく、美月の言葉の先が分かった気がした。けれど、晴はわざと何も言わずに美月の独り言のような問いかけに意識を注いだ。


「今日は金曜日。明日は土曜日で、バイトはあるけど午後からです。朝は、比較的余裕があります」

「…………」


 言いたいこと、もう分かってるでしょう? と言いたげな視線。


「私からのご褒美がチョコだけじゃない……って言ったら、どうしますか?」

「それは、いったいどんなご褒美なんだ?」


 ようやく口を開いて、揺れる紫紺の瞳をジッと見つめて問い詰める。

 少しずつ赤くなっていく顔に手を添えて、意地の悪い問いかけに美月が口を噤む。


「チョコ、味わいましたよね」

「あぁ。美味だった」

「それじゃあ、チョコの次は、なんだと思いますか?」


 さっきからお互いに答えを出さぬまま問い返しだけを続ける。

 もどかしくなる時間に焦燥が立ち始めて、心臓が騒ぎ始める。


「深夜までチョコ作ってて、寝不足なんじゃないのか?」

「心配し過ぎですよ。まぁ、たしかに学校では久しぶりにうたた寝をしてしまいましたが、今は元気です。晴さんは年々私に対して過保護になっていきますね」

「笑うな。それだけお前が大切なんだよ」

「えぇ。大切にされてる自覚はちゃんとありますよ。だから、私も貴方に応えたくなるんです」

「年下のくせに、生意気だな」

「でもそんな私が?」

「大好きだよ。愛してる」

「ふふっ。知ってます」


 美月がふわりと笑ったのを合図に、晴は目を閉じ自分の唇を押し付けた。

 触れたのは一瞬。

 重なった唇を離して、そして目を開けて、確認する。


「キス、したかったのか?」

「どうでしょうか」


 小悪魔のような笑みを浮かべる美月。


「正直に言った方が身のためだぞ」

「あらあら。それじゃあ、正直に言わなかったら私はどうなってしまうんですか?」

「さっきの発言を誘ってると勘違いしてベッドに運ぶ」

「ふふっ。勘違いがありませんよ。――ちゃんと、私のほうから誘ってます」


 その一言で、晴の理性がぶっ飛んだ。

 今まではギリギリ耐えられたけど、最後の妖艶な微笑みが一瞬にして理性を決壊させた。


「――んっ。んぅ。晴、しゃん」

「煽ったお前が悪い」


 これは罰だ。夫を散々煽った、可愛い妻への仕返し。

 押し付けるように唇を重ねて、そのまま舌と舌を絡ませる。それだけでは足りずに美月を抱き寄せて、体を密着させる。

 眩暈を錯覚させるほどの熱に浮かされて、一心不乱に美月と深いキスを交わす。呼吸が乱れてもお構いなし。薄く目を開ければ眼前に蕩けた美月の顔があって、さらに愛でたい欲求が高まってしまった。


「晴さんっ……はげ、しっ……」


 苦しそうに息継ぎをする美月だが、唇を離そうとはせずむしろ晴の高揚に同調するように舌を絡めてくる。背中に回った腕が強く己の方へと引き寄せているのが美月も晴とのキスを望んでいる何よりの証拠だった。


 チョコレートよりもこの時間の方が、何倍も甘い。


「はぁはぁ……ふふ。久しぶりに、長いキスしましたね」

「久しぶりって……一週間前もしただろ」

「十分久しぶりじゃないですか」


 ようやく離れた唇からは互いに荒い息を吐いていて、美月は放蕩とした表情をみせる。


「えへへ。晴さんの口の中。甘かったです」

「チョコ食べたばかりだからな」

「しばらくチョコは要らないけど、これなら食べられそうですね」

「――んっ」


 そう言うや否や今度は美月の方から唇を奪ってきて、舌を侵入させてきた。


「おまっ……チョコに媚薬持ってないだろうな?」

「れろ……そんなバカなまね……しませんよ。いいでしょ、たまには」


 積極的な私は嫌い? と問いかける瞳に、全然アリと答えるように唇を押し付ける。

 いつの間にか美月が晴の膝の上に座っていて、一分ほど長いキスを交わした。


「……すっかり淫らな女と化してしまって」

「そうさせたのは他の誰でもない晴さんなんですからね。責任は最後まで取ってもらいますよ」

「そのつもりだ。こんな美人で可愛くて料理が出来る女、俺が手放すはずがない」

「そうですね。美人で可愛くて、こんなにも旦那一筋なんですから、捨てたら恨みますよ」

「俺にこんなに尽くしてくれる女は美月だけだ。愛情を伝えるのも、注ぐのも、美月だけ」

「ふふ。そんな愛妻家の旦那さんには、ちゃんとご褒美をあげないとですね」

「どんなご褒美くれるんだ?」

「分かってるくせに。今日は金曜日なんですよ。それにバレンタイン。貴方に贈るのはチョコともう一つ……」


 見下ろしながら微笑んで、唇を押し付けてきた。


「チョコともう一つは〝私〟です。たくさん味わって、そして、たくさん満たしてください」

「我慢しないからな」

「しなくていいですよ。今日は晴さんの好きなように私を抱いてください」

「……高校生が言うセリフじゃねぇな」

「妻じゃなかったら言いませんし、これでもかなり恥ずかしいんですからね」


 よく見ると、確かに美月の顔が真っ赤だった。

 そんな妻に呆れつつも、好きにしていいと許可が出たら男としてはもう我慢できない。それに、据え膳食わぬは男の恥ともいう。


「なら有難く、お前もいただくことにしよう。今日はたっぷり可愛がってやる」

「お手柔らかにお願いしますね」

「無理」

「あはは。まぁ、好きにしていいと言ったのは私なので……いいですよ、たっぷりと私を可愛がって、そして味わってください」


 あぁ本当にお前ってやつは。

 世界一可愛い嫁だな。


「……ベッド、行くぞ」

「はい。……でももう一度だけ、キスして」

「一回だけだぞ」

「はい。一回だけ、でも、長いキスでお願いします」


 リクエストされて、それに晴は目を閉じて応じる。

 今日はバレンタイン。

 初めて妻と過ごすバレンタインは、今まで貰ったどんなチョコよりも甘く、そして濃密な時間だった。


「――ハッピーバレンタイン。貴方」







【あとがき】

完結した項目にチェック入れないと新しい話更新できないみたいだな。なんてこったい

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