第125話 邪神の最期
「
結界を張られ、怒った蛇神は真っ先にララを狙い牙を剥く。
「させるかっ、パリィ!!」
ララの前に彼女の騎士、エレイシアが飛び出し牙に合わせパリィで弾く。
自身の簡単に飲み込めるほどの巨体の蛇の牙に剣を合わせるという恐ろしい大胆さで無理矢理に蛇神を弾く。
単純な胆力ではラディッツオすら上回るな、エレイシアは。小心の俺ではできない芸当だ。
「
このタイミングでメイスの範囲氷魔法で蛇神、そしてその下の地面を氷つかせる。
例え範囲魔法であってもこれだけの巨体で力のある魔物ではその氷を砕いて脱出してくるが地面が凍ったことで今度は地中に簡単に逃げることはできなくなる。
砕けた氷が乱れ飛ぶ中そんなものお構いなしと暴れる虎が遂に大蛇の頭上を取る。
「今度は外さねえ、喰らいな、
蛇神の頭上から急転直下、自身そのものを稲妻と化し、ラディッツオが大蛇の脳天を貫いた。
「蛇はこのくらいじゃ死なねえぞっ、追撃任せたっ!」
ラディッツオの言葉に次々と攻撃ジョブスキルを畳み掛けるパーティーメンバー。
そうして邪神の最期のときが訪れた。
デカすぎるその長い体をバタつかせて抵抗していた蛇神もついに力尽き動きを停止させる。
死んだフリも怖いので俺とエレイシアの剣士のジョブスキルで頭だけを切り落とすが反応はない、完全に事切れたようだ。
ダンジョンの魔物と違い体が消えないので最後まで気が抜けなかった。
「ふ〜、結局、魔法攻撃を使って来なかったのが幸いしたな。手数と連携で上手く隙を与えず戦えたってことでいいのかな。」
総評が難しい戦いだった。こちらは負傷らしい負傷はなかったが流れ次第では一方的に崩されていた危険もあったように思う。
まあ、そうさせないための準備期間だったわけだし、パーティーメンバー全員が複数のジョブスキルを使い、連携したことでおそらく俺達はもうこの世界最強のパーティーを名乗れそうなとこまでこれたということか。
まあ、まだまだ荒削りだし、上を目指さないとこの先の森とダンジョンの完全制覇は難しそうだが。
「ララ、結界は後どのくらい持ちそうだ?」
「後1分くらいは問題ありません。どうしますか?」
「じゃあ、悪いけどそのまま少し維持していてくれ。このまま住民達と対話したほうがスムーズそうだ。」
これで終わりではない。
残された邪神教の住民達の後始末が残っている。
見渡すと崇めていた邪神が堕ちたことで項垂れ、戦意喪失しているものがほとんどだ。
だが、気を抜いて結界を解いたところで誰かに扇動されて取り囲まれても面倒な事になる。
狂信者達にどの程度会話が成立するか不明だが、ここは俺が矢面に立って交渉しよう。
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