第4話
まず聞きたいことがあるのですが…。と言い出し、折角座ったのに、黒板の前に立った。
「では皆さんのアリバイを教えてください。」
成程アリバイから詰めていくのか…。しかしそんな事をしていたら5分以内に終わるのか? 他の人もそう思った人は多いらしく、疑問の言葉が吹き荒れた。
「そんなことしてて5分以内に解決できるのか? 」
その疑問は尤もだった。しかし彼は当たり前だというように笑った。
「ええ、出来ます。何故なら皆さん一人ひとりに聞くのでなく、私が皆さんに質問して、答えていただく形をとるからです。」
それなら解決できるの…か…? 俺たちが困惑しているとそんなことはお構いなしで、彼は質問を始めた。
「いいですか、これから質問をしていきます。何個か関係の無い事をするかもしれませんが、気にしないでください。またどれかに該当すると犯人の可能性がありますが、嘘はつかないで下さいね。」
注意事項を読み上げ、遂に捜査が始まった。
「ではまず、今日の昼休みにグラウンドに居た人は手を挙げてください。え? 黒板に記録するのかって? いやそんな無駄なことはしませんよ。全員覚えてますから。」
ならなんで黒板の前に立ったのかと言いたいが、兎に角、まずはグラウンドに居た人間を聞いた。
「俺は今日は居なかったぜ。」聞いても無いのに和田君が答えた。少しでも疑問を晴らしたいのだろうか。
「そうですか…。グラウンドに居たのは…。10人ですね。結構いますね~。」
利根川君が感心していると、佐藤君が利根川君のそばに行き、何かを渡していた。
「これ付けなくていいの?」 「あぁ、そうでした! ありがとう。」
そんな会話が聞こえてきた。 佐藤君が離れた後の利根川君はさっきまで掛けていなかったメガネを掛けていた。
「これを掛けると皆さんが嘘をつくと分かるようになるんですよ。 まぁ、誰も嘘なんてつかないと思っているんですけど。 では質問を続けましょうか。」
嘘かホントか分からないが、兎に角さっきよりもすごくなったらしい。
パワーアップした利根川君は質問を続けた。
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