第8話 犯人


 廃ビルの一室。照明は薄暗く、少し大きいモニターが3つ並び、1つの外付けのキーボードが取り付けられていた。


そのキーボードをカタカタと叩く男がいた。

ガイコツのようにやせ細り、モジャモジャの髪、丸いメガネをかけた40代ぐらいの男だ。


モニターに映し出される謎の英文。男は、にやにやとした表情でキーボードをリズミカルに叩き出し、プログラミングしていた。


その異様な空間の一室。


「バタン!!?」


ドアが蹴り飛ばして開けられた音がする。

異様な空間に鬼のような表情をした男が現れた。

リョウだ。

ガイコツのような不気味な男の背中を視認し、言葉を冷たく言葉を発した。


「おい。遂に見つけたぞ。お前がマイを殺した犯人だな?」


ガイコツなような男は、キーボードを叩く事をやめて、座っていた椅子ごと自身の体を回転させ、リョウの方を向いて、とぼけたような表情で返事を返す。


「ん?マイ?誰?てか、君は誰?」


「とぼけんな。お前が『毎日100万円当選者怪死』怪死事件の犯人だろ?スドウ ジン」


「おいおい。何のことを言っているのかな?憶測であの大量怪死事件の犯人にされても困るなー。あれ?君!全国指名手配犯のカタオカ リョウだろ?警察に通報しよ」


スドウは、白衣の内ポケットからスマホを取り出し、電話をかけようと番号を押そうとした。


『バン!!』


銃声と共にスドウが手に持っていたスマホは吹き飛んだ。


唖然とするスドウと拳銃を両手に構えて、スドウに銃口を向けるリョウ。

リョウの持つ拳銃の銃口からは、煙が上空に向かってユラユラと出ていた。


「そんな事させるわけないだろ?白状してもらうぜ」


リョウは、唖然としているスドウに淡々と語りかけ始めた。


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