8.保育士、始動する

宗主代行である禅一が、祭事の為に村に帰るという話を、峰子は少し前に聞いていた。

(禅一さんのテスト期間が終わって、ようやく本格的な道場通いが始まると思っていたのに……)

その時は、小さな道着を手作りして、手ぐすね引いて待っていたので、少し残念に思ったくらいだった。

後は保護者が欠けた状態になるアーシャを、いつもより気にかけておこうと思ったくらいだ。

しかしアーシャは体の小ささに見合わず、他の園児より、かなり精神的に安定しているので、それ程心配はしていなかった。


「おはようございます?」

「…………おはようございます」

しかしぐったりとして登園してきた譲を見て、少し考えを改めた。


「これはまた生きが良いですね」

ビチビチと彼の腕の中で、水揚げされたての活魚のように暴れているのは、『精神が安定している』と峰子が判定していたアーシャだ。

「生きが良すぎて……チャイルドシートからも逃げ出すので、車にすら乗せられませんでした」

泣き叫ぶ訳でもなく、ひたすら拘束から逃れようと、のたうつ大型魚いもうとを両手で押さえ込み、何とか捕獲している状態の譲は、水揚げ後三日くらい常温放置された魚のような、どんよりと腐り切った目をしている。


「……原因は禅一さんですか?」

そう聞くと、譲は疲れ切った顔で頷いた。

「これから四日間……こんな調子になると思いますが、よろしくお願いします……。多分、全力で逃げ出そうとします……」

よろしくと頭を下げつつ、彼自身、これからの苦難を想像しているのだろう、顔が死んでいる。


背後で「朝から白兄来た!」「朝からアンニュイ美形は心臓に悪いわ〜!」「ちょっと物憂げなのが良いわね〜」などと、若いお母さんや保育士たちは呑気に囁きあっている。

峰子の目から見ると、『お母さんの初出張で、子供に拒否されまくって、ゴリゴリに精神と体力を削られたお父さん』なのだが、美形とは疲れていても絵になる物らしい。

深刻さが周りに伝わらなくて、ある意味、気の毒である。


「お預かりします」

活カツオ……ではなく、荒ぶる幼児を受け取ろうと、峰子は手を伸ばす。

譲も少しホッとした顔で、ビチビチと動き続ける妹を差し出そうとした。

「おぉぉぉぉぉ!」

が、気合い一閃とばかりに小さな足が伸びて、門扉の鉄棒に引っかかる。

「ふんっ!」

一体そこに足をかけて、どうするつもりかと思ったら、体を思い切り逸らし、兄の手から逃れようとする。


「うわっ、チビ!」

譲は焦った顔をするが、峰子は慌てず騒がず、逃げられないように胴体を押さえた上で、小さな足を門扉から外す。

「あ、あわっ、あぁぁぁぁ」

くるんと体を回して抱き上げつつ、門扉を閉じると、小さな脱獄犯から悲しみの雄叫びが上がる。


「……すみません……本当、物凄い根性で脱出しようとするんで……」

ガッチリと峰子に抱え上げられた妹を見て、譲は頭を下げる。

「今ので大体理解しました。脱走への物凄い執着ですね。しっかりと見ておきます」

峰子がそう請け負うと、あからさまに彼はホッとした顔になる。

(しっかり休んで夜に備えなさい)

これから四日間試練に立ち向かうであろう兄に、峰子は心の中で、ひっそりとエールを送った。



保育士経験はそれほど長くないが、脱走する子供との攻防は、祖父の道場の手伝いで慣れている。

数々の小学生の猛者をも返り討ちにしてきた峰子なので、外見的には二、三歳のアーシャの捕獲などはお手のもの……と、最初のうちは思っていた。

「ふむ」

しかし何度捕えても、アーシャは全くへこたれないし、回を重ねるごとに逃げ方が巧妙になる。


最初は門付近で脱出の機会を探っていたのが、そのうち遊具の影に隠れたり、距離をとって遊んでいるふりをしたりと、偽装工作を始めた。

門が開いても、すぐに走り出さずに、興味が移ったと思わせる演技もする。

中々の知恵者だ。

幸い、走る速度がとても遅いのと、保育士たち全員でアーシャ脱走の危険性を共有したおかげで、誰かしらが捕獲することができた。


しかし登園時間が過ぎ、扉が開かなくなると、今度は目立たない裏手に周り、金網を登り始めてしまった。

普段の、素直で聞き分けが良いアーシャからは、考えられない行動だ。

これは事故になる前に対策せねばならないと思い始めた所で、峰子の目に入ってきたのは、年長組のドアから、切なそうな顔を覗かせる、園児の姿だった。

それは感性が豊か過ぎるが故に、とても繊細で、人一倍峰子が気にかけている穂花だ。


保育園では自己主張が強い子が、優遇されがちだ。

保育士の数には限りがあるので、問題を起こしたり、積極的に話しかけてきたりする子が占有する形になってしまい、大人しくてじっとしている、彼女のような園児に手が回らなくなってしまうのだ。

大人しい子は、保育する側としては手がかからなくて助かるが、問題が表面化する子より、ケアをせねばならないと、峰子は考えている。

外に自分の状態を伝える手段を持っていないので、ストレスを溜めている可能性があるからだ。


彼女が描いた絵や作った折り紙を褒めたり、何か困っていることはないかと、出来るだけ声をかけていたのだが、峰子の生来の強面が災いし、ビビり散らかされ、まだ距離は詰めれずにいる。

一年以上かけて、最近は横にいても怯えられなくなったが、まだまだ彼女の心に添える状態ではない。

そんな中、現れた期待の新星がアーシャだ。


雨の日に、友達に連れられて年長クラスに入ってきたアーシャは、教室の隅でひっそりと折り紙をする穂花に近づいていった。

折り上がる紙に興味を惹かれていたようで、無理に声をかけたりする事もなく、アーシャはキラキラとした目で、穂花の折り紙を見ていた。

そして折り上がった作品に感動して、手を叩いて褒め称えた。


まだまだ我慢が効かずに、相手の気持ちを無視してグイグイと行ってしまうお年頃の他の園児と違い、そっと相手を見守るアーシャの姿勢のおかげで、穂花が怯んで逃げるようなことはなかった。

アーシャの圧迫感のないコンパクトサイズも、穂花がプレッシャーを感じない要因だったのかもしれない。

あっという間にアーシャは穂花と打ち解けてしまった。

食が細すぎて、栄養指導が入りまくる彼女を心配して、昼食を共にさせると、アーシャにつられて食べる量も増え始め、ご飯中の笑顔も増えた。


年齢差・体格差で、二人が一緒にいると、穂花がアーシャと遊んであげているように見える。

しかしその実、穂花が寂しそうにしていたら、他で走り回って遊んでいたアーシャが、空気を読んだように彼女のそばに、そっと寄り添いに行っているのだ。

そして特に会話するでもなく、一緒に文字の勉強をしたり、折り紙をしている。

その時の、穂花の嬉しそうな様子は、見ていて微笑ましい。


「穂花ちゃん、アーシャちゃんの所に行こうか?」

馴染みのあるエリア以外には、あまり行きたがらない穂花だが、この誘いは魅力的だったらしい。

ギュッと峰子の服を握り締めて、頷いた。


そして案の定、合流した二人は一緒に遊び始めた。

練習してきた折り紙を、せっせとご披露する穂花も可愛いし、それを目をキラキラさせて見学するアーシャも可愛い。

(………計画通り……!)

可愛いと可愛いが微笑みあっている、素晴らしい光景を見て、峰子は頷く。

気が優しいアーシャは、大人の追撃は容赦なくかわしていくが、寂しいと言うことすらできない繊細な友達を振り払うような事はしない。

しばらくは禅一お母さんを忘れて遊んでくれるだろう。


「あらあら……峰子センセ、新世界の神みたいな顔しちゃって!」

「…………?そうですか?」

まんまと目的を達成した峰子に、ねんねクラス担当の赤松が話しかけてくる。

「ほのちゃんがいるので多分大丈夫とは思いますが、気をつけて見ていてください」

謎の表現に首を傾げつつ峰子は答える。


「あははアーシャちゃん、ほのちゃんがいると大人しいもんね〜!有難う!」

「また昼頃に、こちらに顔を出しますね」

そう告げて、峰子は颯爽と園庭に出る。

アーシャたち以外にも、園児たちはそこらじゅうで無謀な遊びを作り出し続けているので、監視と庇護が必要だ。


真冬だというのに、蛇口を手で塞ぎ、スプラッシュさせる園児。

頭を下に、ツタンカーメンのようなポーズで、滑り台に挑戦してしまう園児。

一見まだ何も植ってない、チューリップの花壇で、マイクがわりのスコップを持ってオンステージを始める園児。

まだまだ型にハマらない、自由な子供たちは、とにかく手がかかる。

「…………?」

忙しく見て回っていた峰子は、桜の巨木を見て、首を傾げる。


小さい頃はしっかりと見えていた『桜さん』の姿は、いつしかほぼ見えなくなってしまったが、彼女の気配はまだ感じる。

何かを警戒しているような、威嚇しているような、刺々しい気配がする。

(何か……良くないくないものが近くにいる……?)

頂上付近の一部の枝が周りと違う動きをしているのを確認して、峰子は目を眇める。

園児たちが外に出ている時間は、地上付近でニコニコと彼らを見守っているはずなので、あんな頂上付近にいるのは珍しい。

彼女が警戒しているのなら、峰子も気をつけねばならない。


(今日の見張りは……武知さんでも五味さんでもないようだしね)

武知は完全に気配を消すが、見張りにつく場合、偶然通りがかったご近所の人のようなの顔をして、黙礼してから、仕事に入る。

五味は不審人物スレスレの動きをしているので、近くにいる場合、すぐにわかる。

顔見知りの警官が近くを巡回していてくれたら、いざという時に心強いのだが、今日の担当は知らない人間のようだ。


そんなことを考えつつ、お昼の時間が近づいたので、峰子は給食の準備を始める。

クラスの準備を終えてから、一人分の配膳を持って、アーシャたちのいる保育室へ移動する。

「ほのちゃん、お昼はこちらで食べますか?」

そして答えはほぼ決まっているであろうが、一応、意思確認をすると、穂花は嬉しそうに小さく頷いて見せる。


「みにぇこしぇんしぇい!」

そんな彼女の隣にいる、アーシャの緑の目がキラキラと輝く。

そしてドタドタとガニ股で走り寄ってきてくれる。

(うっ……可愛い……!!)

峰子相手に嬉しそうに駆け寄ってきてくれる稀有な姿は、輝いて見える。


「お手紙ですか?」

可愛いアーシャは、妙に自信に満ちた顔で、峰子にチラシの裏側を差し出してくる。

そこには歪な平仮名が綴られている。

「あ、あ、こえ、ぜんの、ゆずぅの」

どうやら兄たちに送る手紙を、峰子にも見せてくれているようだ。


親へのプレゼントを自慢してくる子を見ると、ほっこりとしてくる。

彼らが家で、どれ程愛されているのかが伺える。

(わ・た・し・は・ぜ・ん・と………)

微笑ましく、峰子は不思議なカクカクとしたフォントの文字を追う。

定規を当てて描いたような文字だから、ちょっと脅迫文めいた雰囲気があるし、所々黒塗りにされているのが、何とも不穏な空気を醸している。

描いた本人の無邪気さと、その手紙の落差に、思わず笑ってしまいそうだ。


「………………?」

しかし文字を追うごとに、笑っていられなくなった。

そこに拙い愛情を伝える言葉は見当たらなかった。

「……………これは…………」

何回も文字をなぞり、内容の異様さを確認する。

とても園児が書くような内容ではない。


『わたしはぜんともろともにいくです』

どうにか読める程度の平仮名ばかりだし、ガタガタとしているので、かなり読み辛い。

(『私は禅と諸共に行く……です』?)

しかし一文目は絶対にそう書いてある。

妙な文だ。


『わたしはさきのけいをふうずさくのかはりに、ふじもりのしんじにまいると、かみとちぎりをむすびたりです』

(『私は先のけい……?を、封ず策の……かはり……代わり?……に、藤護の神事に参ると、神と契りを結びたり……です』……)

物凄く色々とツッコミを入れたい文章だ。

古文と現代文が気持ち悪くミックスされている。


しかしそれより、内容の方がとんでもない。

『神と契りを結ぶ』。

『契りを結ぶ』は一般的に男女の結婚を意味する。

離婚なんて概念があったのかすら疑わしい時代に、誰もが知る、生涯守る重い約束事というのが、結婚くらいだったからだろう。

恐らくこれは『重要な契約をした』という本来の意味だろう。


ゴクンと呑んだ唾が、妙に存在感を出しながら、喉を滑り下りる。

普段は不真面目で、フラフラしっぱなしの適当不良老人である峰子の祖父は、ある一点だけは厳しく言い聞かせてきた

『神にだけは触れてならない』

悪霊や呪いなんかは何とかする方法があるが、神だけはどうしようもないと、散々言い聞かせられていた。


例え人と同じ姿をしているとしても、同じ言葉を喋ったとしても、存在する次元が違う。

決して敬意と畏れを忘れてはならない。

ゾウとアリが対等に付き合えないように、神と人も対等には決して付き合えない。

永く人が祀っている神なら助力を願えない事もないが、それでも自分たちは、相手から見れば矮小なる存在である事を忘れてはならない。

力を求め、向こうのことわりに人が踏み込んだら、破滅しかないのだと、重々教えられた。


『特に何か取引を求められても決して応えてはいけない。それは自らを人のことわりから引き離してしまう事になる』

自分と同じ轍を踏ませないよう、祖父は何度も何度も厳しく言い聞かせてきた。

当時、永く人々が手厚く祀り慈しんだ老木から成った神霊である桜さんに、峰子が強い関心を寄せていたせいもあるだろう。


幼くて禁忌がわからなかったなんて、『向こう』が考慮に入れてくれることはまず無い。

幼く、道理がわからない故に、不用意に『向こう側』に接触して、取り込まれた子供の話も、飽きるほど聞かされた。

子供心に本当に恐ろしい話だった。


(待って、一旦、落ち着こう)

峰子は深呼吸して吐き出す。

植え付けられた恐怖で、判断を鈍らせてはいけない。


(まず第一に、これは子供が描いたものだわ。本当のことかわからない。全くの絵空事かもしれない)

そう考えようとしたが、子供の絵空事だとすると、この内容に説明がつかない。


アーシャは手紙を見て固まる峰子をよそに、友達たちとムカデごっこのように連なって、キャッキャと遊び始めている。

右へ左へとヨロヨロして、楽しそうな悲鳴をあげている。

それは興味が次から次に変化する、行動に一貫性がない、ただの子供の姿だ。


そんなただの子供に、古文など理解できるはずがないし、書けるはずがない。

ましていわんや、アーシャは普通の日本語すらあやふやで、ろくに話せないのだ。

まだまだ理解できる単語数が、周りの子より圧倒的に少ない。

そんな子が、こんな文を書けるはずがない。


(私がこじつけて読んでしまっているだけ……?)

別の読み方があるのではないかと、何度も目を通すが、文字は下手ながら、それ以外には読みようがない。

(これをアーシャちゃんが書いたなら……それこそ……『何か』と契約をして、そいつが書かせたとしか思えない……)

そう結論を出したとき、先程園庭で感じた桜さんの気配を思い出し、峰子はゾッとする。

桜さんは、既にアーシャの身に降りかかっている『何か』を、警戒していたのではないかという予想が浮かんできたのだ。



子供達のムカデごっこは、あっという間にバランスを崩して、全員で床にコロコロと転がって、笑っている。

何とも無邪気で、微笑ましい、超常的なものなんて関係ない、子供達の日常だ。

(落ち着きなさい。舞い上がって対処を間違えるな)

ドキンドキンと脈を打ち始めていた心臓を、深呼吸と鋼の精神で、峰子は黙らせる。


これは峰子単独での解明と対処が不可能な事態だ。

加えて、少々の問題なら弾き飛ばす、歩く超常現象除去装置スレイヤーである禅一は不在。

ならば真っ先に頼るべきは、祖父だろう。

この手紙の内容を伝え、見解を示してもらう。

(保護者の同意なく、動くべきではないんだろうけど……お迎え前に、少しでも情報を集めて、譲さんと相談できる状態にしておきたい)

一刻を争う事態かもしれないので、そう思い定め、峰子はケタケタと笑い合っているアーシャたちを覗き込む。


笑い合っていたところを遮ってしまうのは忍びないが、こんなふうに笑い合える状態を守るためだ。

「アーシャちゃん、これ、少し貸してください」

びっくりした顔のアーシャにそう聞くと、少しずつ意思疎通ができるようになってきた彼女は笑って頷く。

「しゅこし、いーよ」

あっさりと許可してしまうアーシャは、この手紙が他人の目に触れたら、どれだけ不審がられるかすら、わかっていない。


(きっと内容を理解していないのね。何かに操られて書いた可能性が濃厚になったわ)

峰子は少し眉間に皺を寄せて、手紙を丁寧に折り曲げる。

(これを最初に見たのが私で良かった)

そう思いつつ、峰子は穂花の昼食の準備をした後、自分の担当クラスに戻り、お昼ご飯の補助を行った。

気持ちは焦るが、当面の業務もこなさねばならない。

大きくなった子たちは昼寝がないので、昼食さえ終われば少し時間に余裕ができる。


そうして、いつもは連絡帳などに目を通す時間に、峰子は急足で自分のデスクへと向かう。

個人情報保護と漏洩防止のため、保育室への携帯電話の持ち込みは禁止だ。

写真撮影なども、もちろん禁止だ。

(お手紙を写すのが早いんだけど……シャッター音をさせるのは流石に不味いわね)

峰子は手早く祖父へのメッセージを打つ。


「あれ?峰子センセが業務時間中にスマホ触るのメズラシー!さては……春が来たのかな!?」

そう声をかけてきたのは業務時間中に連絡取れなくなるの辛すぎる!と、しばしば事務室に戻ってはスマホを触っている先輩だ。

職業柄か、ここにはあまり色恋の話がないので、その系統の話に飢えまくっており、既に顔が期待にニヤけている。

「残念ながら、絶賛永久凍土在住です。連絡相手は祖父ですよ」

そう答えると、「な〜んだ」と、あからさまにがっかりとして、彼女は興味を失う。


(既読がつかない……何かの作業中か……)

普段は割と対応が早いはずの祖父からの反応が来ない。

業務中なので、反応をのんびりと待てるほどの余裕はない。

いっそ電話をかけるかと思ったのだが、その内容を聞かれても良くない。

(手紙は預かったから、これが他の人の目に触れて騒ぎになることはない。とにかくお迎えの時間までに何度もチェックして、情報を整理しないと)

峰子はそう考えながら、スマホを机の中に戻す。


(おじいちゃん、早く反応して)

そう願いながら峰子は業務に戻る。

そんな彼女が保育室で通常業務に戻った頃、机の中のスマホ画面は光を放っていた。

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