14.母、解放される(前)
『モライウケル……モライウケル……ツユハライ……モライウケル』
ウトウトと微睡みそうになった時、そんな声が聞こえた気がして、
(いけない。眠ってしまう所だった)
彼女はそう思って、重いお腹を抱えて立ち上がった。
座っていた席は丸いキノコ型スツールだ。
万が一、眠って倒れてしまったりしたら大変だ。
彼女が眠気を覚ますように周りを見ると、娘はボールプールの片隅で遊んでいた。
『ママは赤ちゃんとゆっくり!』
一緒にボールプールに入ろうとした明希子を、娘はそう言って拒否した。
この所、急に眠れなくなった母親を、娘なりに心配してくれているらしい。
まだ五歳の娘に心配をかけてしまって申し訳ない反面、優しい子に育ってくれたことが嬉しい。
(もう三日連続で『あの夢』を見てる……こんなの初めてだわ)
彼女は眠気を吹き飛ばすように首を振る。
薄気味の悪い夢を見始めたのは、お腹の子の性別がわかった頃だった。
(男の子だと言った途端に、あちらのご両親たちが異常に気遣ってくるせいでストレスになったんだわ……)
過干渉気味な夫の家族は、結婚してからずっと、男孫を熱望しており、お腹の子供の性別がわかってからは、土日の休みには、こちらの体を気遣うような事を言いながら、訪問してくる。
何度も度重なる訪問は迷惑なのだと告げたが、遠回しな表現だったせいか、訪問は止まず、ついに彼らが来る週末には悪夢を見るようになってしまった。
そんな中、娘の保育園に暴漢が現れ、門を壊されたという事で、緊急の休園が決まった。
(あの人たちの訪問が無くならないまま、急に産休に入って、環境が変わったことでストレスに拍車がかかったのかしら)
会社にその事を報告すると、上司が気を利かせて、一週間のリモート出勤で引き継ぎをして、その後有給を使用して、早目の産休に入れるように手配してくれたのだ。
そのお陰で娘とも久々にゆっくりとした時間が取れたので、それには感謝したのだが、それを聞きつけた夫実家が、休みに入ったなら産むまでこちらでお世話をするからいらっしゃいなどと、言い出してしまった。
元々仕事を辞めて、家に入れとうるさかった人々だ。
お世話になる事がかえって心労になると、柔らかくお断りしても通じなくて、悪夢はどんどん悪化してきている。
遂には連続で見続けるようになって、睡眠が上手く取れなくなってしまった。
最初の頃は小さな黒い影が這い回るだけの、なんとなく不愉快な感じのする夢だった。
それがストレスが積み重なるにつれ、小さな影は大きく育ち、何か不快な音を発し始めた。
最近では影が輪郭を持ち、それが腰の曲がった老人だとわかるほど、はっきりしてきた。
それに伴って不快なだけの音が、ひどく掠れて濁った声で、言葉を発していることが分かり始めた。
夫に相談しても、老人がつぶやくだけの夢のどこが恐ろしいのかと笑われるだけだ。
夢の中の自分が、お腹の中の子供を抱っこして、その影から逃げ惑っていること、捕まるのが恐ろしくて、いつも捕まる直前で目を覚ますのだと訴えても、
『気にしすぎだよ。むしろ一回その影に近づいていって蹴っ飛ばしてやれよ。普段の気の強さはどうしたんだよ』
と、まるで気にしてはもらえない。
(こんなに妻が眠れないって訴えているのに……!!)
昨日もほとんど眠れなかったせいで、彼女のイライラは高まる。
それに反応したように、お腹が張りはじめる。
(あ………ダメダメ)
彼女は大きく深呼吸して、椅子に座り直す。
しかし状態は良くならない。
身体中の血が足に下がっていくような感覚がする。
暑くもないのに汗が滲む。
寝不足と貧血が相まって、急に気分が悪くなってきた。
横になりたいが、ここにそんなスペースはない。
(やっぱり家でゆっくりしておくべきだったかしら)
家にいると、いつ夫の家族がやってくるかビクビクしないといけないし、窮屈な思いをしている娘に思い切り遊ばせてあげたかったので、睡眠不足を押して来たが、後悔が押し寄せてくる。
こんな状態では、娘を連れて家に帰るのも困難だ。
(こんな所で……しっかり……しっかりしないと……!!)
深呼吸をして、何とか落ち着こうと、彼女は務めるが、焦れば焦る程、鼓動が速くなり、視界の端が暗くなっていく。
最早、自分が真っ直ぐ座っているかもわからない。
「大丈夫ですか?」
そんな彼女の肩を力強い手が支える。
「あ……は……はい……」
日本人の悲しい性で、大丈夫かと問われれば、大丈夫と返してしまう。
違う。
全然大丈夫ではない。
助けてほしい。
そう言葉を訂正するより早く、背中も支えられる。
「勝手に触れて、すみません。とりあえず顔色が悪いので、横になりませんか?」
背もたれのない椅子に座っていたので、支えられて、体の緊張がゆるゆると抜ける。
(でも、横になれるスペースなんて……)
休日の子供スペースを見守れる親の場所は取り合いだ。
彼女が来た時点で条件が良い場所は取られてしまっていた。
その疑問が顔に出ていたのかもしれない。
「妊婦さんが具合が悪そうだと言ったら、快く協力してくれる人がいました。みんな貴女を心配しています。……立てますか?」
下心など全く感じない、落ち着いた声が説明してくれる。
この声の主は信頼できると自然に思える、力強い声だ。
「すみません……貧血で……」
気がつけば、素直に弱音を吐けていた。
「少しなので、俺が移動させても構いませんか?」
『俺が移動させる』とはどんな意味だろうと思ったが、理解するより前に彼女は頷いていた。
早く横になって、お腹の張りを解消させてあげないと、と、お腹の子に対する心配が先だった。
「失礼します」
そう聞こえて、膝裏に何か温かいものが当たった。
次の瞬間にはフワリと、体が浮遊感に包まれていた。
椅子に座った格好のまま運ばれている。
(……これってお姫様抱っこ!?)
そう気がついた時には、お尻が新しい椅子に下ろされていた。
あまりに短く、穏やかな滞空時間だった。
「えっと……頭とか足を上げた方が良いとか、仰向けとか横向きが良いとかありますか?あ、靴を脱いだ方が良いですか?すみません。妊婦さんの事情がよくわからなくて」
ここまで堂々としていた声が、初めて少し戸惑った声になった。
「あ、横向きで……できれば……頭を、少し上げられると……」
流石に靴を脱がせてくれとは言い難い。
「了解です。ちょっとゴツゴツするかもしれませんけど、こっちに枕っぽく作ったんで」
要求を出すと、それにすぐ対応してくれる。
貧血特有の狭まった視界の中、頭と肩に手を添えられて、横向きに寝かせてもらう。
横になると、ホッと息がつけた。
「産まれそうとか、救急車を呼んで欲しいとか……そんな感じじゃないですか?」
横向きになった彼女の体に温かい掛け布団のようなものが掛けられる。
足の先まで温かいものに包まれて、体から力が抜ける。
「有難うございます……ただの貧血で……少し横になれば……」
彼女は張ったお腹を撫でる。
安心したおかげか、硬くなっていたお腹が緩み始めている。
「貧血……鉄分かな……」
助けてくれた声の主が何か呟きながら、去っていく気配がする。
交流は三分にも満たない時間だったのに、遠くに行かれると途端に不安を感じてしまう。
しかし引き止めることもできない。
(……良くなってきた……)
少し横になっていると、狭くなっていた視界が、改善していき、お腹の張りも消えていく。
冷や汗が引いていくのを感じる。
体の状態が良くなってくると、周りの状態が気になる。
日曜のお昼時のキッズスペースで、長椅子を独占して横になっていると、周囲の視線を感じてしまって、少し恥ずかしい。
助けてくれた男性は何処だろうと視線を彷徨わせると、パックのジュースを大量に抱えた男性に目が止まる。
「あ……」
思わずそれを見て、声が出た。
それは先程、娘の飛び出しを寸前で止めてくれた『若すぎる保護者』だった。
『若すぎる保護者』は、ここの所、保育園で噂になっていた人物だ。
保育園に新しく入園した外国人の子供の話は、その日のうちに保護者たちの耳に入った。
片田舎の保育園なので、ただでさえ日本人以外が珍しい。
その上、その保護者は直接の血のつながりがない大学生の兄弟という珍しさだ。
話が回らないはずがない。
曰く、一人は芸能人並みの美青年だが、もう一人は格闘家のようで、少し怖い、と。
男女平等が謳われて久しいが、やはり送り迎えは母親が多い。
謎の迫力を持った、体格が良すぎる、若い男性には警戒心を抱いてしまう。
「妊婦さんって薬飲めないって聞いた事があるんで。とりあえず体に良さそうなもの買ってきました」
しかし目の前の男性……いや、男の子は、危険な要素は全くなく、真面目な顔で紙パックのジュースを差し出してくる。
床に膝をついて、大きな体を小さくして、お子様用の紙パック飲料をこれでもかと持っている姿は、全く怖くないし、むしろ、なんだか愛嬌がある。
「紙パック……」
「なんかここ、紙パックしか売ってなくて」
思わず呟いたら、不思議そうに首を傾げている。
どうやらここにある飲み物が、子供向けだとわかっていないらしい。
「でもストロー付きだったら寝たまま飲めるし良いかな、と」
少し照れくさそうに笑う顔は、確かにまだ大学生だと思わせる幼さを残している。
ミルクココア、野菜ジュース、飲むヨーグルト、乳酸飲料と、お子様向けラインナップの中で、精一杯『体に良さそう』な物を選んできてくれた事がわかる。
「……有難うございます」
彼女がおずおずと野菜ジュースを選ぶと、ニッと笑ってくれる。
「ゆっくり休んでください」
そう言って、先程助けてくれた時と同じく、全く恩に着せることもなく、あっさりと彼は立ち去る。
「あ………」
そのまま彼は、周りに立っていた男性や、別の椅子に座った女性に持っていたジュースを差し出しては、頭を下げている。
(あ……ここを譲ってくれた人たち……かな)
彼が話している相手は、皆、落ち着いた様子の彼女を見て、安心した顔をしている。
たった一人でどうしようと焦っていたが、ここにいる人々は、元々妊婦だったり、妊婦だった妻の夫だった人だ。
助けてくれる存在が、ここには沢山いたのだ。
そんな事実が、彼女の緊張を更にほぐしてくれる。
ほっと気が抜けると、急に眠気が忍び寄ってくる。
(いやいや……
娘はまだ五歳。
目を離すわけにはいけないと、視線をやると、先程まで少し寂しそうに遊んでいた娘は、フワフワと渦を巻く髪が特徴的な子と、手を繋いではしゃいでいる。
(……カミナリ様みたい……可愛い……)
娘の
しかし大きなウェーブが出る髪は短く切り揃えてしまっているので、ストンとしたストレートのように見える。
(本当はあの子も髪を伸ばしたいと思っているはずなのに)
もっと言葉のわからない頃は、フワフワの髪を伸ばして、可愛く結んでくれとねだる娘だった。
『この子が男の子だったら』
その言葉を理解する前に、そんな寝言を言う夫側の親族を何とかするべきだった。
『男の子を』と責められる母の姿を見せてしまった事には、後悔しかない。
たった五歳の娘は、髪を男の子のようにしたいと言い、服も可愛い色やフリルが大好きだったのに選ばなくなった。
『おばあちゃん達の言うことは気にしなくて良いのよ』
何度そう言っても、女の子である事を否定され続けた娘は意見を変えなかった。
何回注意しても同じことを繰り返す夫の両親にも、『老人だからボケてるんだよ』と親を止めてくれない夫にも、苛立ちしか感じない。
(でもこの子さえ生まれれば、もうグダグダ言われないはずよ)
誰かのために子供を産むわけではないが、あの煩い人々からようやく解放されるのかと思うと、ホッとする。
同時に何か形容し難い、不安が這い寄ってくる。
何かを忘れているような、危機を見落としているような、言語化できない不安だ。
何かが迫っているような焦りがあるのに、実際は何もないので、対策できる事がない。
(睡眠不足で不安定になってるみたいね)
眠いのに、眠るとあの夢を見そうで恐ろしい。
ウトウトとしては無理やり目を開けていたら、遠慮がちに大きな影が寄ってくる。
「お嬢さんに何かあったら起こしますよ。安心して寝ててください」
こちらに圧迫感を与えない為か、わざわざ近寄る前から腰を落として、やって来てくれた青年はそう告げる。
「うちの子と一緒に遊んでくれてる子がお嬢さんですよね?」
誠実そうな顔を見ると、怖いと感じた、以前の自分の感性が信じられない。
どこから見ても好青年だ。
「はい。あの……先程も今もご迷惑をかけてしまって……」
「全然です。こちらこそお嬢さんに、妹の面倒を見ていただいて感謝してます。俺の大きさじゃ、あんなに思い切り遊べていませんから」
謝罪は明るい笑顔に遮られた。
彼の視線の先では、娘たちがボールを投げてひっくり返っては笑い合っている。
「二人とも一緒に見ていますので、安心して休んでください」
穏やかな横顔を見ていると、こちらの警戒心がどんどん解けて、むしろ頼りたい気分になってしまう。
「……最近悪夢続きで眠るのが少し怖くて……」
そのせいか、ポロリと口から不安がこぼれ落ちてしまった。
夫にも笑い飛ばされたと言うのに、今日初めて話した男の子に、それを言ってどうするのか。
こぼした途端に恥ずかしくなって、自分の発言を取り消そうとした時だった。
「じゃあ、俺がここにいて、悪い夢が始まったように見えたら、すぐに起こしますよ。顔色が悪いですから、少しでも寝てください」
彼は事も無げにそんな提案をしてくれた。
「え……?」
まさか改善案を出されるとは思っていなくて、思わずびっくりしてしまう。
「大人が悪夢くらいで……って思わないですか?」
驚きのままに聞いたら、彼は首を傾げて少し考えた。
「悪夢に大人とか子供とかなんて関係ないと思います。誰でも見ずに済むなら、そうしたいですよ。毎回悪夢を見るなら寝るのが怖くなるのも頷けます」
彼は彼女を笑い飛ばしたりしない。
「夢って深い眠りの時って見ないって言いますから。深く眠れたらラッキー、浅い眠りだったら残念って事で。見張り役がいるので安心して体を休めてください」
彼はすっかり見守ってくれるつもりらしく、長椅子の横にあぐらをかいて、腰を据える姿勢だ。
(この子が危なそうって言ってたの誰よ……!めちゃくちゃ良い子じゃない!)
リラックスして座っているのに、今から出陣する戦国武将のようなオーラが確かにあるが、とても親切な良い子である。
「えっと……床は冷たくないですか?こちらに座りませんか?」
「別に立ってても良いくらいですから。ゆっくり足を伸ばして休んでください」
本当に全く気にしていなさそうな、思わず『あ、それなら……』と言ってしまいそうな、カラッとした返答だ。
「足は曲げていたほうが楽なくらいなんで。その……初対面の人にこんなお願いどうかと思うんですが、黙って目を閉じていると、どうしても悪い方向に思考が引っ張られて……眠るまで話に付き合ってもらえませんか?」
そう言って粘ると、彼は少し戸惑った顔をしながら、大きな体をチョコンと長椅子の端にのせた。
「圧迫感とか、少しでも感じたら遠慮なく言ってください」
大きな体をすぼめながら、彼はそんな事を言う。
自分の体格が、怖がられる自覚があるのかもしれない。
少々強引だったかと思いながらも、頷いて彼女は目を閉じた。
「娘さん、凄く優しいですね。さっきからアーシャの……妹の手を引いてくれたり、遊び方を教えてくれたりしてます」
話に付き合ってくれと言ったが、さて何を話そうと思っていら、落ち着いた低い声が、そんな事を言う。
「……凄く、気の優しい子なんです。今から『お姉ちゃんになるから』って。張り切って赤ちゃんの人形でお世話の練習とかしていて」
お腹の子供の性別がわかった頃から、仕舞い込んでしまっていた人形たちで、娘は遊び始めた。
その時は『男の子なら』『男の子だったら』と、呪いの言葉を吐かれなくなったお陰だと嬉しかった。
それなのに今、何故こんなにもお腹の赤ちゃんが男の子である事に、心がざわつくのか。
この訳のわからない不安は何だろうと、早くもウトウトしながら彼女は考える。
「頼もしいですね」
微笑ましそうな相槌の声は、低くて、どこか実家の父を思い出させる。
「でも……私、あんな小さな娘に今まで沢山無理をさせてしまって……」
だからだろうか。
弱音がポロポロと口から溢れ出す。
「無理、ですか?」
「ええ。夫側の家族は結婚当初から『男の子を』って強く要求していて……随分文句を言われました。私は気が強いから、言い返していたし、問題ないと思っていたんだけど……娘は自分が男の子じゃないから私が責められていると思ったみたいで……かなり無理をして『男の子』の真似をし始めてしまって……」
「元々ボーイッシュな子ではないんですか?」
「元はお姫様とかが大好きな子だったんです」
「それは………何とかしてあげたいですね」
「ええ。……私……母親失格です」
自嘲するように彼女は呟く。
「母親失格、ですか?」
しかし相手は凄く意外そうに、驚いたように聞き返してくる。
「娘を否定するような人たちをシャットアウトできないんですから」
沢山悩んだ。
何度も意見したし、夫にも一緒に抗議してくれるようにも頼んだ。
それでも結局は娘を傷つけてしまった。
「俺には自分の子供を守ろうとして、子供の事で心を痛めている人が母親失格だとはとても思えません」
力強い声が、落ち込む彼女の心を引き上げる。
「何より、母親失格な人は、自分自身がこんなに寝不足で、動き難い状態なのに、お子さんを遊ばせるためだけに頑張ってここまで来ませんよ。お嬢さん、とても良い笑顔で笑っていますよ。貴女の頑張りのおかげの笑顔です」
穏やかな話ぶりは、まるで父に、そう言ってもらえたようだ。
「えっと……俺の知り合いに、物凄く外面を気にする奴が居るんです。服装とか、マナーとか、言動とか。隙がなくて、もっと楽にしたら良いのにって思うんですけど、そいつは自分が否定されるってことは、自分を育ててくれた親代わりを否定されているって感じているらしくて。『自分を悪く言われたくない』って思うくらい子供に思われる親って、俺はすごい親だなと思うんです」
「……そう……なのかしら……」
問題は何一つ解決していないが、胸の支えが小さく萎んだような気がした。
目を閉じたまま、この落ち着く声に、他の不安も相談したい。
そう思っているのに、急に眠気が強くなってくる。
「俺から見ると、羨ましいくらい素敵なお母さんですよ。……今はゆっくり休んでくださいね」
あれ程恐れていた悪夢のことは、もう頭の片隅にも浮かばなかった。
気持ちの良い微睡みの湖に、いつのまにか意識は吸い込まれてしまった。
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