19.聖女、辛いスープをいただく(後)

「おかえりなさい」

「おっかえり〜〜〜」

部屋に戻ったアーシャたちを出迎えたのはミネコとシノザキだ。

「『おかえりなしゃ』!」

ゼンから部屋の中に下ろしてもらったアーシャも、張り切って挨拶を返す。

「「〜〜〜〜〜!!!」」

するとミネコとシノザキは、二人でアーシャを挟み込んで撫でまくってくれる。

「へへへ、ふひひ」

この国の習慣にも大いに慣れ、挨拶を大体判別できるようになった。

同じ言葉を返せばいいとルールも理解したので、挨拶返しも万全だ。

それを褒められまくると、言葉などはまだまだわからないのだが、喋れている気分になって、少しばかり誇らしくなる。


そんな惜しみなき賞賛を送られるアーシャの目に、床の上にポツンと置かれた小さなお屋敷が目に入る。

小さいとは言っても、アーシャの腰くらいまであるので、中々の大きい。

その屋敷は不思議なことに真ん中から真っ二つに割れて、内部が丸見えになっている。

「わぁ〜〜〜!!」

その可愛らしい部屋たちにアーシャは目を見開く。


屋敷は二階建てで、各階に二部屋づつがあり、真っ二つになっている所に、丁度、壁があったのではないかと思われる構造になっている。

可愛らしい大きさなのに、しっかりと開閉する玄関のドア。

小さい部屋それぞれに存在する格子付きの窓。

柵のついた立派なバルコニーに、そこに出る両開きの扉。

驚くことに、家の中にはとても小さなテーブルや椅子、箪笥、ベッドが備え付けられている。

それら小さな家具の上には、物凄く小さなクッションや、枕、毛布、カーテンなどが備え付けられている。

食器棚らしきものには、小さな鍋や皿まで並べられている。


本当に小人がいたら、喜んでこの家に住むだろう。

「『かわいーな』!『かわいーな』!!」

しかしこの家に住んでいるのは、どうやら小人ではなく、小さな獣人だ。

兎の獣人と、リスの獣人がテーブルに座ったり、椅子に腰掛けていたり、バルコニーに出ていたりしている。

獣人たちは、一瞬生きているのかと思ってしまったほど精巧に作られていて、それぞれが可愛い服を着ている。

全員が真っ黒でつぶらな瞳で、とても可愛い。


「か、か、かわいー……っ!!」

アーシャの隣でゼンも目を輝かせている。

ゼンも小さな獣人の愛らしさに打ち抜かれたようだ。

獣人自体もとても愛らしいのだが、その作り込まれた服や、家具や生活道具も凄く愛らしい。

自分たちが使っている家具が小さくなるだけで、なぜこんなに可愛く感じるのか、自分でも理解できないが、精巧であればあるほど愛おしく感じてしまう。

いかなる職人の手か、本当に使えそうな品々で凄い。

「『かわいーな』!」

「かわいーな!!」

アーシャとゼンは二人して盛り上がってしまう。

(この国の獣人って、もしかして、こんなに小さいのかしら!?だからこっちでは見かけないのかしら!?……無理があるかしら?でも、こんなに小さい家具を作れるのは、小さい職人じゃない!?)

自分の手でも包めてしまえるほど小さな獣人に、アーシャの夢は広がる。


『わらわもヤシロは欲しいが……もうちょっと落ち着いたヤシロが良いかの………』

———キラキラ スゴイ

『すごいのぅ』

そんなアーシャの横でバニタロとモモタロの二人はヒソヒソと話し合っている。


この可愛らしい小さな獣人の家は、中こそ落ち着いた造りになっているのだが、屋根やバルコニーの手すりなどが、びっしりと宝石で飾られているのだ。

元の屋根は赤単色のようなのだが、瓦の一枚一枚に輝く宝石がびっしりと敷き詰められ、バルコニーも、これでもかと輝いている。

現実にこんな家があったら、盗賊は労せずして大金持ちになれてしまうだろう。

部屋の内側の方から見たら、落ち着いたお屋敷なのに、外側から見ると盗賊接待の成金屋敷だ。

タロ組の二人はギラギラと輝く、宝石だらけの外観に拒否感があるらしい。


(モモタロは家が欲しいんだ)

愛らしい、作り物の獣人を屋敷の中で動かしながら、アーシャは考える。

彼らの体に丁度良い小さな階段に、ベッド、テーブル、食器類。

手で持つのが困難なほど小さい物ですら、恐ろしく正確に作られており、体が小さければ、そのまま生活に使えそうだ。

その一つ一つに感嘆のため息が出てしまう。

これなら小さな獣人たちも満足できる暮らしを送れるだろうが、モモタロはこの獣人たちよりも随分小さい。

半分以下だ。

作るなら、ここにある全てを更に小さくしなくてはいけないが、それがアーシャにできるとは思えない。

(手で掴むのさえ難しいのに、これより小さいものを作るのは無理よねぇ……そもそも私が使える素材ってミルクの箱くらいだし……)

立派なお屋敷に住む獣人たちと比べると、あまりに貧相な家になりそうだ。


(そういえば、夜、ゼンの近くで眠れるようにして欲しいって言っていたよね。いきなり家は無理だけどベッドぐらいなら何とか作れるかも)

アーシャは小さな獣人たちのベッドを手に取り、記憶に焼き付けるように仔細にそれを確認する。

(凄い……!このベッド、脚まで柄が入っているわ!この枠の曲線まで完璧!まぁ、この寝具!こんなに小さいレースがついて、刺繍まで入って……!)

しかしその素晴らしい出来に、ベッドくらいなら自分でも作れるかもという思い上がりは、あっという間に墜落してしまった。


「ほしーのか?」

あまりの完璧なベッドに心折られたアーシャの隣に、いつの間にかユズルが座っている。

「?」

何かを聞かれているが、よくわからないアーシャは首を傾げる。

そんなアーシャを見てから、ユズルはバニタロの方に視線を送る。

———ネドコ ホシイ キイテル

するとバニタロは心得たとばかりに、通訳をしてくれる。


「モモタロ、ベッド、ほしい?」

そう聞くと、

『欲しい!欲しい!!刀掛け、欲しい!!』

通訳をしたバニタロの頭の上で、モモタロが元気に答える。

両手を上げて、ぴょんぴょんと跳ねる彼女の目は輝いている。

アーシャは彼女に力強く頷いて、ユズルを見上げる。

そしてゼンの懐に入っているモモタロの本体があるであろう辺りをポンポンと叩いてから、力強く頷く。

「ふ〜ん」

モモタロの気迫と比べると、ユズルの返事は軽い。

彼はそれ以上何も聞いてこず、何やらイズミ、シノザキと集まって何やら話し合いを始めた。


『アァシャ、わらわの寝床できるかの!?できるかの!?』

モモタロはキラキラと目を輝かせている。

名前をもらって、家での安息地が決まれば、モモタロの要求は、残るところ後一つである。

(武器を常に携帯させるのはちょっと難しいかもしれないけど、居場所ができるって安心するからね)

アーシャは微笑ましく、頷きながら、はしゃぐモモタロを見守る。


言葉は通じない、常識も全く違う、この国でアーシャがこんなに心穏やかに過ごせているのは、ゼンという心強いよるべがあったからだ。

まだゼンに認識されていないが、自分の場所ができれば、きっとモモタロも安心できるだろう。

(ずっと一緒にいたいって気持ちは良くわかるから何とかしたいけど、まだ何も思いつかないのよね〜)

アーシャも『ほいくえん』に一人でいるときは、すごく不安だった。

ゼンが絶対に迎えに来てくれると思っても、臆病な自分が『本当に来てくれる?』と何度も顔を出してきた。


(これからも頑張らなくっちゃ!)

アーシャは両手を握り締め、決意を新たにする。

そんなアーシャの鼻に、先程の刺激的な香りが忍び込んでくる。

「……………」

たった今、決意を新たにしていたはずのアーシャは、クンクンと鼻を鳴らしながら、その匂いを追いかけ始めてしまう。

(なんだろ……初めて嗅いだ匂いなのに、すっごく刺激的で、美味しいって確信が……)

握りしめていた拳は、いつの間にか解かれている。

食欲が全てを、あっさり飲み込んでしまうのが、アーシャの困ったところである。


「アーシャちゃん」

フラフラと匂いを追いかけるアーシャの手を、ミネコが優しく包む。

「ミネコオネチャン?」

見上げると微かに彼女の目尻は下がる。

そして彼女はアーシャの手を引く。


途中で手を洗ったりしつつ、彼女はどんどん匂いが濃くなる方へアーシャを導く。

ゼンやユズルたちも、ゾロゾロ一緒に移動している。

「???」

何だろうと思いながらも、アーシャは濃くなる香りに、期待の芽がどんどん育つ。


「つきましたよ」

そう言ってミネコがアーシャに告げて、引き戸を開ける。

「わ〜〜〜〜!!」

扉が開けられた瞬間、香辛料の刺激的な匂いがアーシャを包む。

(いい匂い!!)

流石、黄金と同じ価値を持つだけある。

匂いだけで口の中にヨダレが溢れてくる。


その部屋には、いつもの草の敷物が敷き詰められており、アーシャの身長ではギリギリその上が見えない高さの卓と、頑張れば自力で登れそうな低い椅子が並んでいる。

これが自宅なら全力で椅子に飛びついて登り、卓の上の芳しい匂いの元を確認しただろう。

それほど流れてくる香りは魅力的だ。


ソワソワしているのが伝わったのか、ミネコは小さく吹き出してきら、クッションを重ねた椅子の上に、アーシャを座らせてくれる。

「わぁ………!?」

アーシャは見た事がない料理に目を丸くする。


いつもは半球状の器に単品で盛られている『こめ』が、珍しく平たい皿に盛られ、その上に黄茶色のスープがかけられている。

アーシャは初めて見る料理に顔を近づけて匂いを嗅ぐ。

(このスープがこの匂いの元だわ!)

スープとは言っても、アーシャが元の国で食べていたような水に申し訳程度の具と塩が入ったスープではない。

食べ易い大きさに切られた、野菜らしき物が沢山入っていて、何やら粒々した物体も入っている。

具とスープは丁度半々くらい、いや、具の方が多いかもしれない。


(赤いのは人参?それにしては不思議な形……)

全力で匂いを嗅ぎながら、アーシャの顔は皿にくっつかんばかりに近づく。

「アーシャ、アーシャ」

そのアーシャを笑いながらゼンが諌める。

「あ………」

赤面するアーシャの肩から、バニタロの入った袋が外されて、椅子の隣に置かれる。


目の前の皿に夢中になっていたアーシャの視界に、卓の上の様子が入ってくる。

皆の前にはアーシャと同じように平皿が置かれ、卓の中央には色々な食べ物が盛られている。

黒、黄色、赤に緑と、色とりどりの焼いた野菜。

(黄色は……カボチャ?他は……赤と緑は何か色違いの野菜かしら?黒い野菜は……ちょっと不気味だわ)

明るい茶色の、刻んだ藁を丸めたような物。

(何かしら……?想像がつかないわ)

小さく刻まれた、茶色く変色したカブのような物や、育ちきれなかった子供の玉ネギのような物が詰まった硝子の器。

(この二つだけ小さい硝子の器に入っているのは何でかしら?腐りかけ、とか?)

興味津々に見て回るアーシャの目が止まる。

「ちゃまご!!」

不思議な食べ物の中で、一際白く輝く尊容そんよう

間違いなく玉子だ。


「これ?」

アーシャが釘付けになったのを察して、ゼンが玉子を指差す。

貰えないかもしれない、などという発想は湧いてこなかった。

アーシャは夢中で頷く。

「ふふふ」

ゼンはおかしそうに笑いながら、銀の火バサミを玉子に伸ばす。

「ふぁっ!?」

そしてひょいひょいと三個もの玉子をアーシャの皿にのせてくれたのだが、その大きさがおかしい。


(小さい!!圧倒的に小さい!!)

確かに形は玉子なのに、その大きさは普通の玉子より圧倒的に小さい。

三個でようやく普通の一個分、いや、三個でも普通のサイズには敵わないかもしれない。

(こ……これは、間違いない………小人ならぬ、小鶏がこの国にいるんだわ!!)

アーシャの頭の中を、ヒヨコくらいの大きさの鶏が行進する。

(か……可愛い!絶対可愛い!小さい鶏!!食べる所は少なそうだけど、可愛い!)

その小さな鶏を、先程の小さな獣人が飼育していたりして……とアーシャの頭の中で物語が織り上がっていく。


「アーシャ、いただきます」

小さな玉子を夢中で見つめるアーシャの背中を、ポンポンとゼンが叩く。

「はっ!」

既に周りは食べ始めている。

「いたぁきましゅ!」

アーシャは慌てて両手を打ち鳴らし、自分用の皿に添えられた匙を構えた。

もちろん最初に狙うのは小さな玉子だ。


スープごと掬って口に放り込む。

「ふひゃっ!」

それと同時に口の中に広がる、香辛料の刺激的な香りに目を見開く。

刺激的なのだが、爽やかに鼻を抜ける。

(す……凄い!お金持ちの料理だわ!!)

これほど香るまでに香辛料を入れるなんて、王侯貴族並みの贅沢だ。


香りの次は、複雑な濃い味が舌にトロリと広がる。

単純に塩分を感じるとか、そういう濃さではない。

色々な味が複雑に混ざり合って、更にそれらを煮詰めて濃厚にした感じだ。

かろうじて感じる程度の薄い塩味か、保存のために塩漬け、そして素材そのものの味に近い物ばかりを食べてきたアーシャにはとても表現できない。


濃い味の次に広がったのは、辛味だ。

強い刺激ではなく、心地よく食欲を刺激してくれる辛さだ。

その辛さにつられて、スープをしっかり味わおうと思っていたのに、ついつい玉子を噛んでしまった。

胃が、食道が、猛烈に口の中のものを送ってこいと、脳に訴えかけているようだ。

「んんんんっ!」

口の中に広がった玉子の黄身が、濃く、辛いスープと混ざり合い、何ともまろやかな味になる。


(凄い!小人鶏は黄身がおっきいわ!味が濃いわ!!)

思わず頬を押さえながらアーシャは頭を振ってしまう。

噛む毎に、濃厚な黄身と辛味が混ざり合い、ゴクンと飲み込むと、

「ん〜〜〜〜!」

思わず声が出てしまう美味しさが口から喉にかけて広がる。

飲み込んだ後に口の中に残る、ほのかな酸味と、刺激的な香り、ほのかな辛さが、すぐに次の一口を掻き込みたい気分にさせてくれる。


「『おいしーな』!『これ』『おいしーな』!!」

思わず誰かに伝えたくなってしまう美味しさで、アーシャは突発的に、ゼンに向かって報告してしまう。

しかし報告中にも、すぐに次の一口をと、体が求め始める。

ゼンが頷いたのを確認してすぐに、アーシャは夢中で匙を動かす。


(このスープ美味しい!!)

次の玉子は、たっぷりのスープと共に頂く。

「ん〜〜〜〜〜!」

物凄く辛くなるかと思ったが、玉子と混ざり合うと、やはりまろやかになる。

しかし辛さがしっかりと残って美味しい。

辛さと、しっとりと舌に絡みつく感触が合わさると、最高だ。

(玉子とこのスープ!奇跡の組み合わせだわ!)

アーシャは美味さを噛み締めながら飲み込む。


(このスープ、絶対『こめ』とも合う!!)

絶対なる確信を持ってアーシャは『こめ』とスープを掬う。

最初に口に広がるのは刺激的な香りと、濃い味だ。

それを辛みが追いかけてきて広がる。

これだけでも十分美味しい。

しかし『こめ』の甘味が混ざると、辛さが引き立つ。

それが噛む度に、甘さが辛味と混ざり合い、味が柔らかになる。


飲み込むと爽やかな酸味と辛さが口に残り、早く匙を動かして口の中を満たしたくなる。

(美味しい……!美味しい……!この粒々……もしかしなくてもお肉!?お肉の味がする!!)

夢中で新しい一口を豪快に掬って、口いっぱいに頬張る。

そして歯と頬の間にまで『こめ』を詰めながら咀嚼して、感動する。

スープの中にある粒々は肉を小さく切っているようで、噛むとコリッと歯応えを返してくれる。


「ん〜〜〜!」

まだ口をもぐもぐとさせながら、次なる一匙をすくったら、匙の上に星がのって、目を見開く。

先程、不思議な形をした人参があると思っていたのだが、なんと星の形をしていたのだ。

「じぇん、じぇん」

思わず口の中にまだものが入っているのに、ゼンに話しかけてしまう。

「ん?」

アーシャの一匙の五倍くらいの量を掬っていたゼンは、途中で食べるのをやめて、差し出した匙を見てくれる。

「ほしだな!よかったな!」

そして相合を崩して、アーシャの頭を撫でてくれる。

「へへへへへ」

一緒に変わった形を喜んでくれて、アーシャは嬉しくなってしまう。


「んふっ!」

そして頬を緩ませながら星を口の中に入れる。

「んっ!」

形は星なのだが、味は人参だ。

(星型の人参。どんな形で生えてるんだろ!?)

アーシャの頭の中の農場には、小さな獣人が飼っている、小さな鶏に次いで、星型の人参が追加される。

夢の農場だ。


(あ、これはお芋だわ)

次に掬った中には、しっとりとした歯応えの物が入っている。

人参とスープの相性も良いと思ったが、辛いスープが染み込んだ芋は更に相性が良い。

ぬっとりと広がる芋の味に、辛さが加わると、新境地が開かれた心持ちがする。

(玉子も『こめ』も人参も芋も美味しい、魔法のスープだわ〜〜〜)

それ以外も入っているような気がするのだが、小さくて何が入っているのかよくわからない。

しかしわからなくても、これだけは言える。

このスープは何にでも合って、何でも全部美味しくする。

一口を食べ終わると、すぐに次の一口を詰め込みたくなる。


いつの間にか顔や体が熱を持ち、毛穴が開いて汗が吹き出す。

「はふはふ」

それでも夢中で食べ進めるアーシャに、ミルクが差し出される。

「ん〜〜〜!」

冷たいミルクは辛さを攫って、束の間の甘やかさを口の中に広げる。


「ふふ」

ゼンが笑ってアーシャの口を拭く。

夢中になりすぎて、口の周りに何かつけてしまっていたようだ。

とんだ粗相である。

「おいしーな!」

しかしそんなアーシャに、ゼンは笑いかけてくれる。

「ん!『おいしーな』!」

アーシャは幸せな気分で大きく頷いた。


ふと見れば、バニタロは頭の上に騎乗したモモタロに、あっちこっちと指示されながら部屋の中を動き回っている。

自由に動き回れるようになったモモタロは見る物全てが面白いらしく目を輝かせている。

「んふふ」

アーシャはまた匙を口に運びながら笑う。


(モモタロの寝床を作って、持ち歩きできるようにして、自分の体もしっかりと鍛えて、もっとこっちの言葉を勉強する!)

やることは盛りだくさんだ。

それらを頑張るためにも、この幸せな栄養補給は外せない。

「あ〜〜〜んっ!」

取っておいた最後の玉子を口に入れながらアーシャは微笑んだ。


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