第3話 『夫婦の場合』

しかし、二人とも裁かれることはなかった。


夫婦円満システムの、

規制にはひっかからなかった。というのだ。


なぜなら、


二人が嘘をついている。


というのが、秘密。


つまり嘘をついているということを明かすことで、


秘密を暴露したことになると、コンピューターが判断したかららしい。


それから、


夫婦円満システムは、


衰退の一途をたどり、問題定義などもあり、


廃止という形を迎えた。


夫婦喧嘩を助長し、家庭を壊してしまう恐れを今更ながら言及したらしい。


たとえ秘密を明かさずとも、

本当に愛し合う夫婦なら、

円満に暮らしていけるだろうという

方針に切り替えて、


『夫婦円満システム』は悪しき習慣だと週刊紙やマスコミは取り上げた。


あれだけ持て囃したのに勝手なもんだと妻も私もそのシステムに振り回された被害者だと、憤慨した。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る