プロローグ

 黒の時代が終わり、白の時代が始まった三年、ふたの月。

 死霊に魅入られし子が生まれた。


 その者、善より悪を愛し、

 光より闇を愛した。


 秩序より混乱を愛し、

 寛容より虐殺を愛した。


 信仰より背徳を愛し、

 赦免より鞭打ちを愛した。


 そして生より死を愛し、

 創造より破壊を愛した。


 その者、九の歳に契約し、

 十の歳に剣の誉れを血で汚した。

    

 そしてその呪わしき契約のもと……

 今なお、数多あまたの魂を西の地へと送り続ける―――

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る