第20話 女帝になる理由

 「瑠香るか様は、あのようなお人柄なのに、人間たちとは何故、健全な交友関係を築くことができなかったのでしょう?」

 「そうね。私にもわからないわ。私だったら、瑠香様のような方とお友達になったら、瑠香様の事を大切にしながら、楽しく交友できると思うのに。」


 幽霊たちは、百人居たら百人とも、瑠香の味方であった。

 しかし、生前の瑠香は、周囲の生きている人間たちによって軽んじられたり、馬鹿にされたり、虐められたり、とひどい仕打ちばかりを受け続けてきた。

 何故、そのようなことになってしまっていたのか、幽霊たちは、みな不思議がっていた。


 「瑠香様が女帝になられる理由が、その答えなのですよ。」

 みーこが、全幽霊に答えた。


 「この過程を経て、瑠香様が女帝になられた後は、あなた方が生前受けてきた、理不尽なことも、全て消滅した世の中になっていきます。理不尽を展開するような人間が、完全消滅し、一切合切の理不尽が消滅した、宇宙本来の『因果応報』しかない世の中が展開してゆくのです。」

 「素晴らしいですね。」

 「私はそこから、ようやく、生きられますよ。」


 「あなた方も生前、ご苦労なさった方たちばかりです。瑠香様に、お力を、お貸しください。」

 「もちろんですとも!」

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