第8話 目標達成

 人口削減事業を始めてから、およそ三百五十年かけて、ついに目標の数値、十憶人を殺害することが出来た。


 一瞬、瑠香るかの『顕在けんざい意識』と『潜在せんざい意識』が元に戻り、元の瑠香に戻った。

 瑠香は二重人格ではないので、自分がしてきたことの一部始終を記憶している。


 瑠香は、号泣した。

 泣いて泣いて泣いて、泣いた。


 幽霊の救護隊が駆け付け、霊体を透過しない担架で瑠香を医務室に運んだ。

 自分の『潜在意識』が『顕在意識』の座に居座っていた時期に、自分が地球上の人間たちにしてきてしまったことを気に病んで、瑠香は錯乱状態におちいった。

 「私は、なんてことをしてしまったの‼」

 「瑠香様、落ち着いて!」

 「アアアアアアーッ‼」

 瑠香はまた、発狂してしまった。

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