第21話来訪者。その体質は……
・前書き
近況ノートにも書きましたが色葉のキャラを不快に思われる方が多いようなので、22話以降を書き直して修正を加えます。
そのため一日一話アップのペースが遅れてしまうかもしれません。申し訳ありません。
また、色葉のキャラを不快に思われた方に対しては作者の配慮不足でした。申し訳ありません。修正していこうと思うのでお付き合いいただければ幸いです。
・
喫茶店で一服、とはいかずに色葉にからかわれている零が俺の方を振り向いた。
「お兄ちゃんも何か言ってよ。色葉に。私は子供じゃないって」
うお、こっちに話を振られた。
どう応えればいいのか、迷ってしまうな。
確かに零は子供ではないと思うのだが、夜になると幼い姿になるのは事実な訳であるし、そんな幼い零を見ていると俺も子供だと思って接してしまう所がない訳でもないし……。
「そ、そうだな。零は大人だ。色葉もあまりからかうのはやめた方がいい」
結局、無難な事を言って場を収めようとする。
それに色葉は「えー」と言った。
「総司お兄ちゃん。零ちゃんは夜になると子供になるんですよ。それを大人として扱っちゃあ、可哀想です」
「子供として扱われる方が可哀想なんだけど……」
「子供は子供らしくですよ!」
自信たっぷりに言い切る色葉に俺は何も言い返せなくなってしまう。
どうしたものか。これだから零の秘密は知られたくなかったのであるが。
そう言えば、昔、零は色葉に対して年上という事もあり何かとお姉さんぶって接していたっけ。
その度に色葉が反発していたのを思い出す。今のこの対応は時を超えた意趣返しという事なのだろうか。
「まぁ、色葉も勘弁してやれ。零だって子供の姿になりたくてなっている訳じゃない」
「どうですかね? 病は気からとも言いますし、零ちゃんは子供になって総司お兄ちゃんに甘えたいからあんな不可思議な症状を発したのかも……」
「私がお兄ちゃんに甘えたいなんて事はないわよ!」
なんだか凄い推測を述べる色葉に零が大いに反論する。それはない、と俺も思うが、どうなんだろうな。
あの不可思議な現象に関しては何も分からないから何とも言えない。
そんな事で纏まらない会話をしつつ喫茶店を後にする。
ショッピングセンターの中で下着屋に立ち寄った色葉は零にファンシーなクマがプリントされた子供用パンツを差し出して笑みを浮かべた。
「これなんかどうですか? 零ちゃんにお似合いだと思いますよ」
「そんな子供っぽいパンツなんかはかないわよ!」
案の定、零は怒声で返す。
夜の子供の姿になった時のため、その時に着る衣服・下着は多い方がいいとはいえ、これは零にとっても不服な事だろう。
以前俺と一緒に来た時も出された品だし。
てんやわんやの末にショッピングセンターを後にする。楽しい買い物が出来たと思っているのは色葉だけで、零は不服そのもの。
俺も二人の諍いに気を揉んで、えらく消耗してしまった気がする。家に帰るが、また夜の7時が迫っている。その時間になれば零は再び幼い少女の姿に変貌してしまう。
それを二度と色葉に見られたくない様子の零は色葉に告げる。
「貴方ねぇ、ご両親が心配しているだろうから、家に帰りなさいよ」
「そういう訳にもいきませんよ。零ちゃんの事を放ってもおけませんしね」
「私の事は別に放っておいてくれてもいいんだけど……」
分かってはいたが、色葉はまだまだこの家に居候するつもりのようだった。
それを追い出すような真似を強くする事は俺はしないものの、零にとっては辟易する事であろう。
そんな事を思っている間も夜の7時が迫って来る。
また零の体が幼くなる刻限だ。
そうなれば色葉は零に存分に年上ぶるだろうし、零はそれに反発したくとも体が幼いのであればしようにもし切れないであろう。
そろそろ夜の7時だな。そう思っているとチャイムが鳴った。誰だろう、と思って俺がインターホンを出るとそこには昼間見かけた幼い女の子の姿があった。
「は?」
何故、と思う。
何故、昼間ショッピングセンターで少しすれ違っただけの女の子が俺の家に来ているのだ。
誰? と言いたげな零や色葉の視線を無視して俺はインターホンに映った少女を見る。
『助けて下さい!』
少女は切実な声でそう述べる。
これはなんだ。子供110番というヤツか? 少女は誰かに追われたり、襲われたりしているのか。
俺が「あ、ああ、この家で良かったら中に入れ」と言い玄関まで出る。
玄関を開くとそこに昼間の少女はいた。
少女はすかさず家の中に入ると玄関で思いも寄らない行動を取り出した。
「な!?」
思わず声が出る。幼い少女は玄関で自分の衣服を脱ぎ出したのだ。何をやっているんだ。そう問い掛ける間もなく次なる驚きが俺を襲う事になった。
「なんだって!?」
直視出来ない裸身になった幼い少女の体が大きくなっていく。
短い手足は長く伸び、顔たちは少女のものから女性のものへと変貌を遂げる。
そして、ぺったんこの真っ平だった胸は大きな膨らみを称えた巨乳へと膨らんでいく。
幼い少女は瞬く間に高校生くらいの女性の姿へと変貌を遂げた。
無論、その体を包むものは何もない。
俺は呆然として、目の前に現れた全裸の女性と対面するしかなかった。
・
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