第20話パフェなんて食べないのよ
・前書き
近況ノートにも書きましたが色葉のキャラを不快に思われる方が多いようなので、22話以降を書き直して修正を加えます。
そのため一日一話アップのペースが遅れてしまうかもしれません。申し訳ありません。
また、色葉のキャラを不快に思われた方に対しては作者の配慮不足でした。申し訳ありません。修正していこうと思うのでお付き合いいただければ幸いです。
・
零と色葉と共に喫茶店に入る。
四人掛けのテーブル席が空いていたのでそこに座る。
早速、オーダーを取りに来た店員さんに俺はアイスコーヒーを頼み、色葉はパフェを頼む、そして、零は。
「アイスコーヒー……」
俺と同じくアイスコーヒーを頼んだ。
いつもなら色葉同様、パフェを頼む所なのだが、諸々の事もあり、色葉に子供と思われたくないのかもしれない。子供っぽいものを避けようとしている様子が伺えた。
「あれあれ、いいんですか、零ちゃん? アイスコーヒーは苦いですよ」
「だからいいんでしょう。私は子供じゃないんだから」
「ああ、そうか。ミルクとシロップをたっぷり入れて飲むんですね!」
「そんな事しないわよ!」
怒声を色葉に返す零。
店員さんは困惑していたが、とりあえずオーダーを取って奥に引っ込んで行った。
「零ちゃんもパフェを頼めばいいのに」
「そんな子供が食べるようなものは食べないわ」
普段は零もパフェを食べる事を知っている俺であったが、ここは零の矜持に配慮して口には出さない事にしてやった。
やはり昨夜からの色葉から受ける子供扱いが散々に応えているのであろう。
なるべく子供扱いはされたくない。そんな思いが透けて見える。
アイスコーヒーとパフェが運ばれてきて、色葉はパフェを前に目を輝かせる。
「全く。零ちゃんも変な意地張る事ないのに。こんなに美味しそうですよ」
「貴方はまだまだ子供ね。私はそんなもの食べないわ」
そう言ってミルクもシロップも入れずアイスコーヒーにストローを突き刺し、啜り出す零。
色葉はスプーンでパフェに取り掛かり、クリームやチョコなどを口の中に放り込み、至福の表情を浮かべる。
零はそれを羨ましそうに見ていたが、すぐにハッとした顔になるとすまし顔でコーヒーを啜る。
なんだかなぁ、と思いながらも俺もコーヒーを啜る。俺は別に変な意地はないのでミルクもシロップも入れた。そうして喫茶店で他愛もない話題を交わしながら時間を過ごす。
「零ちゃん。また今晩、零ちゃんが小さくなったら私が面倒を見てあげますね」
ニコニコ笑顔でそんな事を零に告げる色葉であるが、零は素っ気なく返す。
「いらないわよ。体が子供でも心は大人なのよ。手助けなんか必要ないわ」
「でも、子供の体じゃ出来ない事もあるでしょう?」
「ないわよ。そんな事。私はなんだって出来るんだから」
つっけどんに零はそう言い放つ。
「一人でおトイレ行けますか?」
「行けるに決まっているじゃない! いくら子供でもそれくらいは出来るわよ!」
「あ、今、自分を子供だって認めましたね!」
「あ……そ、それは……」
なんだか終始、色葉のペースだ。零は夜になると体が子供になるという致命的な弱みを握られてしまっている。そのせいかどうにも会話のペースを掴めない様子であった。助け舟を出してやりたいとは思うが、妙な事を言うとこちらまで藪蛇になってしまいそうでなんとも言えない。
「まぁ、またお風呂には入れてあげますよ。子供だと体をちゃんと洗えませんからね」
「そんなの必要ないって言っているでしょう」
「そんな風に意地を張らずに。そういう所も子供らしくて可愛いんですが」
「私は子供じゃないわよ!」
語気を荒げ、零が返す。子供扱いはもう勘弁という気持ちが見て取れた。
・
ここまでお読みいただき誠にありがとうございます。
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無理して大人ぶる零が可愛い、色葉いじるだけ零をいじってやれ。
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