第19話妹と従姉妹との買い物、またもやトラブルの予感

 ・前書き

近況ノートにも書きましたが色葉のキャラを不快に思われる方が多いようなので、22話以降を書き直して修正を加えます。

そのため一日一話アップのペースが遅れてしまうかもしれません。申し訳ありません。

また、色葉のキャラを不快に思われた方に対しては作者の配慮不足でした。申し訳ありません。修正していこうと思うのでお付き合いいただければ幸いです。




リビングに行くと三人分のベーコンエッグが置かれていた。零か色葉が用意したのだろう。


「いやー、零ちゃん。こんなに立派に料理も作れるようになって……お姉ちゃん、感激です」


「私の方が年上でしょう! それに今は子供の体じゃないわ!」


 ……二人のやり取りから察するに零が作ったようだ。俺は呆れつつ、席に着く。


「お前ら、くだらない事で言い合ってないでさっさと食おうぜ」


 そう諭したつもりだったのだが、火に油を注ぐ結果となった。


「くだらない事って何よ、お兄ちゃん! 色葉が私の事を子供扱いするから!」


「零ちゃんは子供じゃないですか、立派な!」


「それは夜の話でしょう!」


「夜の話とはいえ、幼い女の子になる事に変わりはありません」


 あまり意味のあるとは思えないやり取りをした後、二人共、席に着く。

 なんでもいいからこの非日常から早く抜け出したい。

 その思いでいっぱいだった。


 気を取り直したように零が口を開く。


「それで、色葉。今日は買い物にでも行くのか?」


「そうですね。零ちゃんに服でもプレゼントしてあげたいですし」


「それは大人用の服か、子供用の服か、どちらかしら……」


 零が眉根を寄せてぷるぷるしながら問い掛ける。

 答えは聞かない方がいいだろう、多分。


 結局、零と色葉が買い物に行くのに俺も付いて行く事になった。十中八九、荷物持ちだろう。


 仕方がない。これも男の役目だ。

 それでも女の子の買い物って長いんだよなぁ。嘆息しつつ零と色葉と一緒に家を出る。


 この辺りの地理も色葉は知っている。

 先日、零と共に子供になった零用の服など一式を買い揃えた総合ショッピングセンターに向かう。


「いやぁ、総司お兄ちゃんに私の服まで買ってもらう事になって悪いですねぇ」


 全く悪びれず色葉はそう言う。いつの間にかそういう事になっていた。何故だろう。


「ふん。従姉妹に色目使っているんじゃないわよ」


「色目なんか使ってないだろ」


 朝から零は不機嫌だ。何かと子供扱いされているのが気に入らないのだろう。

 これはまた夜になって子供の姿になったら、さらに不機嫌になるな。


 ショッピングセンターに入り、店舗を見て回る。

 零も、色葉も、いがみ合っているように見えて年頃の近い女だ。


 買い物に関してはそれなりに意見の合う様子で色々言い合いながらも楽し気に買い物をしている。


「零ちゃんはつるぺた胸だからブラジャーはいらないですね」


「それは夜の話でしょう。大体、夜の姿の時もブラは付けているわ」


「え!? あんなに真っ平なのに!?」


「貴方ねぇ……」


 途中、ヒヤヒヤする話を交える事もあったが。そんな時、色葉が不意に俺の方を向く。


「総司お兄ちゃん、私、新しいブラとパンツ買うんでこれのお金出してください」


「ぶっ!?」


 思わず噴き出す。確かに服を買う金を出す事にはなっているが、ブラジャーとパンツを買うお金だと……零も呆然としている。


「いや、貴方ねぇ……そんなものお兄ちゃんに買ってもらうつもり?」


「零ちゃんも買ってもらっているんでしょう?」


「もらってないわよ!」


 それはそうだ。実の兄から下着をプレゼントされるなんて嫌すぎるだろう。


 俺は男だが、その程度の女心は容易に想像が付く。それだけに色葉の申し出に驚かざるを得ないのであるが。


「色葉がそれでいいって言うのなら金は出すが……」


「やった」


「従姉妹に下着をプレゼントするなんて、変態……」


 色葉は喜んでいるが、零には白い目で見られる。

 変態扱いはやめろ。色葉が言ったから買ってやるだけなんだ。


 とはいえ、色葉と一緒に会計まで行ってお金を出すのには多少ならずとも恥ずかしさというものがあった。なんとか会計を終える。


「あ、喫茶店がありますね。中でパフェでも食べましょう」


「ふん。色葉はお子様ね」


「零ちゃん程じゃないです」


「だーかーらー、今の私は大人に戻っているって言ったでしょう!」


 そう言う零だが、女子高生として零もパフェの類は好きな事を知っている。

 色葉に色々言われるのは嫌だろうから今回はもしかしたら頼まないかもしれないが。


 喫茶店に入ろうとした時、小さな女の子一人と目が合った。可愛い子だった。

 その子は俺たちの方を見るとぷい、と視線をそらしてどこかに行ってしまう。


 他人様の子をあまり見つめるのもなんだろう。特にこのご時世では。


 俺は気を取り直すと零と色葉と共に喫茶店に入って行くのであった。



 ここまでお読みいただき誠にありがとうございます。

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 零と色葉の掛け合いがいい、プチハーレムで主人公なんだかんだで羨ましい、昼間は普通にラブコメじゃねーかー、このやろー! こういう親戚の関係っていいよね、最後の少女って誰?

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