第7話風呂上りのロリな妹


 それからしばらくして零は風呂から上がって来た。全身から湯気が立ち上り、色っぽいと表現してやりたい所だが、今の子供の零の体からは残念ながら、そんな妖艶さは一切感じなかった。


「なによ、お兄ちゃん。エッチな目で見ないでよ」


「見てねえよ。今のお前の体じゃ色気も何もないからな」


「き、傷付くわねぇ……」


 わりと本気でショックを受けている様子の零。ふと疑問に思い訊ねてみる。


「バスローブは着ないのか?」


「あれは寝る時に着るわよ。バスローブ一丁でうろうろするなんて外人じゃないんだから」


 そりゃそうだ。少なくとも日本の文化ではそのような行為にあまり馴染みはない。


「デザートにヨーグルトがあるけど食べるか?」


「頂戴するわ」


 俺が缶詰から取り出して切ったパインやリンゴを入れたヨーグルトをスプーンと共に差し出す。それを食べた零は幸せそうな顔をした。


「うーん、美味しい~」


「やっぱり子供だな」


「な! そ、そんな事はないから。女の子はいくつになってもお菓子が好きなものなのよ」


 果たして本当にそうなのか。子供の体になってしまったが故なのか。それは判断に困ったが、ここは零の言う事を信じてやる事にしよう。


「今日は一人で眠れるか? 添い寝してやろうか?」


「必要ないわよ! ……多分」


 俺の冗談めかした言葉に断固として拒否をしながらも少し自信がなさそうだ。もし、一緒に寝る事になったら朝には零は元の体に戻っているので非常に困るのであるが。


「ふあーあ、お兄ちゃんがそんな事言うから眠くなっちゃった」


「いや、お前が子供だからだろ。まだ夜9時だぞ」


「眠たいものは眠たいのよ」


 なんだか逆切れ気味に返される。


 やはり体が子供になってあまり夜更かしが出来なくなっているのだろうか。ヨーグルトを食べ終わった零はさっさと自室に引っ込んでしまった。ここからバスローブに着替えて眠るのだろう。


 体が元に戻っても破れないようにバスローブは大きめのものを買っていたが、上手い事いけばいいのだが。


 そんな事を思っているとスマホのラインに着信があった。大学の友人の島津宏介しまづこうすけからだ。内容は以下の通り。


 ――今度、合コンしようと思っているんだ。お前の妹、美人だろ? 出来れば一緒に連れて来てくれないか。


 その文面に俺は悩む。


 いや、合コンが初めてという訳ではない。俺は女好きと言う訳ではないが付き合いで何度か出た事はある(あくまで付き合いで出ているだけなので特定の女性とデートの約束をしたりといった所まで発展した事はなかったが)。


 しかし、合コンというからには行う時刻は大抵、夜である。その時刻に零は……。


「どうしたものか……」


 俺は考え込むのであった。


ここまでお読みいただきありがとうございます。

風呂上りのロリは可愛い、兄妹のやりとりが面白い、合コンとかどうするの?

そのように思ってくださった方は星評価やフォローをしていただければ嬉しいです。

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