第2話JKに戻った!?
「全く、何なんだ……」
風呂から上がり、自室に戻り、後は寝るだけという所になって俺はぼやく。
高校生の妹が小学生くらいの姿になってしまった。全くもって訳が分からない。
一体どういう因果と理由でそうなってしまったのか。これから先、どうなってしまうのか。
気になる事は多いが、明日になれば小さくなった妹のための服を買いに行かなければならない。
そう思いながらベッドで横になり電気を消した。そうして、しばらく。
――コンコン。
部屋の扉を叩くノックの音が聞こえた。
この家の住人は俺の他には妹の一人しかいない。
電気は消したまま俺が「零か? なんだ?」と応えると気まずそうな沈黙の末、小さな声が響いた。
「あのね、お兄ちゃん。一緒に寝てくれない? 一人だとちょっと怖くて……」
はぁ!? 思わず俺は体を起こし、部屋の電気を付けて妹を招き入れる。
妹は先ほど見た時同様、10歳くらいの少女の姿のままだ。
「怖いとか……高校生だろう」
「そ、そうなんだけど、なんだか、一人で寝るのが怖くて……」
「いや、体は縮んだけど、心は高校生のままとか言っていたじゃないか」
「そ、そのはず、なんだけど……」
もじもじしながら言葉を紡ぐ。
その体を包むのは俺が貸し出した上着とスカーフマフラーだ。とてもまともな格好ではない。
俺としても困る。こんな小さな女の子と一緒に寝るというのは。いや、大きな女の子だったらもっと困るのであるが。
「お、お願い……今日だけでいいから」
顔を赤くしながら俺に頼む込む零。
仕方がない、のか? 俺はベッドに妹を招き入れる。そして、電気を消す。
「お兄ちゃんと一緒に寝るなんて久しぶり……」
「俺もだよ……まさか高校生にもなった妹と一緒に寝るなんて……」
「今の体は高校生じゃないよ……」
そう言ってなんと妹は幼い肢体を俺の腕に絡めて来る。「お、おい……」と声が漏れる。
「い、いいでしょ、別に。それともお兄ちゃんはロリコンなの?」
「そんな事は断じてないが……」
「なら、良し」
いいのか。
全く良くない気がするのだが。
柔らかい体の感触を感じながらやけくそでさっさと眠ってやる、と思って目を閉じる。
そうして、俺の意識は夢の世界に落ちて行った。
・
ここまでお読みいただきありがとうございます。
妹は果たして元に戻れたのか!? そうは問屋がおろさない!
これからも妹の苦難は続く。そんなラブコメが楽しみ!
そう思ってくださった方は星評価やフォローをしていただければ嬉しいです。
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