第46話 もう1つの結末

 ーシンたちが出発する少し前の日の夕暮れ時、バロウズ達を乗せた護送車ー



「……」


「なぁ… バロウズ…」


「どうした、セクストン…?」


「俺たち一体どうなるんだ…?」


「……」


「多分、どこかで取り調べを受けて、そのまま、刑務所に行くって感じだろ…」



「違う…」



のことだ…」



「ゲームに敗北すれば、運営側から罰を受けるはずだろ…」



「そのことは心配してない…」


「取り調べの時に、洗いざらい吐くつもりだ…」


「そうすれば、政府側も、俺たちを重要参考人として、かくまってくれるはず…」


「何せ、政府やつらも喉から手が出るほど欲しい情報のはずだからな…」


「そうか!! そうだな!!」



 ピカッ!!!!



「何だこの光は!?」



 急に眩しい光が護送車を包み込み、護送車はそのまま木に激突し、停止した。



 シュウウウウ……



「何だ… 一体何が起こったんだ!?」


「おい!! 守護人!!」


「気絶してる…」



 ギーーッ……


「しめた!! さっきの衝撃で、車のバックドアが開いた!!」


「セクストン!! リチャード!!」


「逃げるぞ!!」


「やったこれで自由の身…」


 バロウズ達は、バックドアから外へ出た。



「へっ… ついてるな俺たち!!」


「あー… このままずらかろうぜ!!」



 ヒューッ……


「!?」


「何だ… 虫か…?」


「……」


「違う!!」


「これは…」



円盤UFO!?」



「……」


「嘘だろ…?」


「どうした、セクストン…?」



「バロウズ、リチャード上を見ろ!!」



 バロウズ、リチャードはセクストンに言われた通り、上を向いた。


「何だこれ…」


 バロウズ達が見上げた空一面、無数の円盤が埋め尽くしていた。


 そして、雲の切れ目から、巨大な円盤が姿を現し、ゆっくり地上へと降りてきた。


「おい!! セクストン… リチャード…」


「いいか… お前ら、能力を使う準備をしろ…」


「わかった…」「了解だ…」


 セクストン、リチャードは自分の腕を銃に変えて、円盤に構えた。


 ピカッ!!!!


 円盤はある程度、まで下りてくると、地面に光を照らし、中から、痩せ型の男が降りてきた。


「……」


「やぁ… 君たち…」


「僕の名前はグレイ…」


「なんとなく想像つくと思うけど…」


「運営側の人間だ…」


「何故来たか、理解できるよね…」



「あー… 俺たちに罰を与えに来たんだろ…」


「けどな…」


「俺たちもバカじゃない…」


「セクストン!! リチャード!! やれ!!」



 ドン!!!!


 ガガガガガガガガ!!!!



 セクストンとリチャードはグレイと名乗る男に攻撃を仕掛けた。


 しかし、銃弾はグレイの体をすり抜けていった。


「何だ… まさか…」



「立体映像…」



「そうだよ… 結構忙しい身なんでね…」


「本体は別の所にあるんだ…」



「じゃあ… 早速、刑を執行するよ…」


 上空に現れた、無数の円盤達は、猛スピードで、急降下し、バロウズ達を囲んだ。


「くそっ… これじゃ、逃げられない!!」


「おい!! お前ら!! きりがないが、1つ残らず、撃ち落とすぞ!!」


「おう!!」


 ドン!!!!


 ガガガガガガ!!



 セクストン、リチャードはその場で銃を放ち、円盤に攻撃した。


「やっ… やった!! こいつらには、攻撃が通じるぞ!!」


「このまま押し切って…」



 ビーッ!!



「うっ… ぐあぁぁぁぁぁ…」


「どうした、リチャード!!」


「あっ… 熱い!!」


 円盤から、放たれた光線はリチャードのガトリングガンに直撃、ガトリングガンは熱で溶けだした。


「まずいぞ… 一機で、そんな威力だったら、この数…」



「……」


 ブルッ…


「マジかよ… 開発者クリエイター… から連絡がきた…」


「ハァ… 面倒だな…」


「とっとと、終わらせるか…」



「じゃあ… 君たち…」


 グレイは左腕を上げた。



 …」



「やめろーーっ!!!!」



 グレイは左手をまっすぐ下げると、円盤は一斉にレーザーを放った。



「……」


「よし… 次はと…」



 円盤達は、攻撃が終わると、巨大な円盤の中へと入っていき、空のかなたへと消えていった。


 数日後、3体の謎の焼死体が見つかったのだが、真相は誰も知らない。




「おいおい!! 素人に負けちゃダメだろ~」


「ったく… そこそこ名の知れた殺し屋だって言うから、ゲームに参加させてあげたのに…」


「まぁまぁ… エナジードリンクでも飲んで…」



 ゴクッ…



「よかったじゃないか… あんな雑魚が、会員メンバーにならなくて…」


「ハハハ!! まぁそうだな…」


「にしても、なかなか面白いものが見れた…」


「全く赤の他人が同じ能力を使うなんて聞いたことがない…」


「あいつ名前なんて言うんだ…?」


「……」


「確かジョルジュ・シンって言ってたな…」


「ジョルジュ・シン…」


「あー… 確か、ディアボロス・ブラックに負けて、どうたらこうたら言われてたやつだな…」


「どうするよ… 次のターゲットはこいつにするか!?」


「……」


「いやっ… ターゲットとしてはこいつからは魅力を感じない…」


「それよりも、例のイベントはどうなってるんだ…?」


「準備は着々と進んでいるが…」


「肝心のスペシャルゲストを呼ぶのに苦労している…」


「ほう…」


「だったら、俺が直接出向くとしようか…」


「マジかよ…」


開発者クリエイターが、直々に出るとは…」


「このイベントは全世界を巻き込んでの祭りだ…」


「失敗したくはないからな…」


「ハハハ!! 流石だぜ!!」



08ゼロ・エイトは伊達じゃないな!!!!」



「ふっ… まぁな…」


 第46話 FIN

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る