第41話 ケーキ

 バロウズ、セクストン、リチャードは政府の警備人ディフェンダーの手に引き渡され、近くの刑務所に護送されることになった。


 バロウズたちとの戦闘から1週間後…



「ハッピーバースデー!!!! ニア!!!!」



「さぁ… ニア… ケーキのろうそくの火を消して…」



「うん!!」



「ふぅーー……」



 ニアは息を吹いてろうそくの火をすべて消した。



「みんなありがとう!!!!」



「さぁ… みんな!!」


「みんなでケーキを分けて食べましょう!!」



「はーーい!!!!」



「そうか… 今日はニアの誕生日だったのか…」


「ほんと… 無事迎えられてよかったね!!」


「1週間前にあんな激闘が繰り広げられていたなんて、考えられないよ!!」


「そうだなぁ…」



「さて… マックス…」


「明日、明後日ぐらいに出発するか…」


「……」


「そうだね…(ちょっと寂しいけど…)」



「あっ… そういえば!!」


「シンさーん!! マックスさーん!!」


「一緒にケーキ食べましょう!!」



「はーーい!!!!」



 シンとマックスは、子供たちのもとに駆け寄った。



「それじゃあ… いただきまーーす!!」



 ぱくっ…



 ビリッ!!!!



 なっ… 何だこのケーキ…?



「うまい!! うますぎる!!(一口食べた、瞬間電流が走ったぞ…)」


「うん!! おいしいね!! このケーキ!!」


「確か… このケーキ、チャーハンのおじさんが作ったんだよね!?」


「……」


「実は、あの人、元パティシエなんですよ!!」



「何っ!!(ここ最近で一番の衝撃だ…)」


「人は、見かけによらないにもほどがあるぞ…」



「ハハハハハ!!」



 その場にいたみんなが、大きな声で笑った。



 ブルンブルン……



 ゴー―――!!!!



「!?」


「まさかこの音は!?」



 キ――――ッ!!!!



「あっ!! 武勇君達だ!!」



 子供たちは、バイクを止めた漢組のメンバーのもとへ駆け寄った。


「おい!! お前ら、ケーキ食べてるか!?」


「うん!! すっごくおいしいよ!!」


「そうか!! そうか!!」


「そういえば、怪我の方はどうなの!?」


「あー!! もうピンピンしてるぜ!!」


「あんな奴ら、俺の敵じゃなかったからな!!」


「おーー!! すっげーー!!」


「やっぱり、武勇君は強いんだね!!」


「当たり前だろ!!」



「漢組のみなさーん!!」


「せっかくですから、みんなで一緒にケーキを食べましょう!!」


「おう!!」


「野郎ども!! 行くぞ!!」


 武勇達、漢組は、孤児院の敷地へと入っていった。



「……」


「あっ… ども…」


「何だ!! お前らも来てたのか!!」


「ケーキいただいてます…」


「そうか!! そうか!!」


「このケーキ美味いだろ!!」


「せっかくだから、いっぱい食え…」


「何っ!!」


「もうほとんどないじゃねぇか!!」


「もしかして、お前ら…」


「……」


「ふっ… ばれちゃ仕方ないな…」


「これは、ガキどものために買って来たんだぞ!!」


「お前らがほとんど食ってどうすんだ!!」



「まぁ… まぁ… そんなこと言わずに…」


「……」


「シスター… もしかして…」


「ふっ… ばれちゃ仕方ないですね…」


「やっぱり!!」


「ったく… そろいもそろって…」



「ハハハ!! 頭!!」


「やっぱり正解でしたね!!」


「あー… そうだな…」



「へっ…?」


 シンとマックス、シスターは顔を合わせた。



 ブルンブルン……



 ゴー―――!!!!



 白い箱を持った、残りの漢組メンバーが乗った、バイクが孤児院へやってきた。



「おーーい!! 頭!!」



「終わりましたぜ!!」


「おう!! ご苦労!!」


「……」


「なぁ… 不良野郎…」


「一体何が終わったんだ…?」


「ふっ… まぁ見てな…」



「頭… 疲れましたぜ…」


「はいこれ…」


 漢組の一人が武勇に白い箱を渡した。


「ここで最後です…」


「お前ら!! よくやった!!」


 武勇は、後から来た漢組のメンバーの肩を一人ずつ叩いた。



「よし… それじゃあ、こいつらに一つずつ渡してやってくれ!!」



 漢組は、白い箱を施設の子供達とシスターに渡した。


「何これ!?」


「開けてみな…」


 子供達は、箱を開けた。


「えっ… これは…」



「ケーキだ!!」



「しかも、さっきとは違うやつ、それに…」



「ひとりひとり、チョコレートで名前が書いてある!!」



「ハハハ!! 頭は、先週の襲撃を受けて、みんなが暗く落ち込んでいると思ってだな…」


「町中の人にケーキを配って、勇気づけようとしたんだ!!(徹夜続きで、おっさん死にかけてたけどな)」


「おい!! 天流!! 話しすぎだ!!」


「へーーっ!! 必死になって、どうすればみんなが笑顔になれるか考えてたくせに!!」


「うっ… うるさい!!」



「……」


 ぐすっ…


「武勇さん… 皆さん…」


「しっ… シスター!!」


「泣いてるのか!?」



「ほっ… 本当にありがとうございました…」



 シスターは深くお辞儀をした。


「ハハハ!! まぁ… この町は、今、大変だけど…」



「必ず… !!」



 シスターは、顔を上げて、裾で涙をぬぐった。



「そうですね!!」



「いやー… いい話だな…」


「ほんとそうだね!!」



「ねぇねぇ…」


「おっ… どうした!! 坊主!!」


 シンは、子供の頭を撫でた。


「いいか… お前も、シスターの言うことをちゃんと聞いて…」


「みんなで、この町を良くしていくんだぞ…」


「うん!! わかった!!」


「それと…」



「結局、?」


 第41話 FIN

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