第40話 2人の不良

「何だ… さっきの眩しい光は!?」


「まぁいい…」


「にしても… 何だお前ら…」


「共闘するつもりか!?」


「だったら、セクストン…」


「俺たちも、一緒に闘うぞ!!」



「いいぜ…」



「おい不良野郎…」


「何だ…?」


「お前の能力について、詳しく教えろ…」


「……」


「まず… 拳に意識を集中させる…」


「そうすれば…」



「行くぜ、セクストン!!」



二天飛空斬フライ・スラッシュ!!!!」



「ファイヤー!!!!」



 ドン!!!!



不良の翔拳ヤンキー・ジョブ!!!!」



 セクストンとリチャードの攻撃は、武勇の拳の衝撃波によってかき消された。


「俺の拳は、特殊道具によって、強化される…」



 能力名:天下無双の拳



「なるほど… さっきの衝撃波は、その拳に付けている銀のやつが関係してるんだな…」


「まぁ… そんな感じだ…」


「ところで…」


「お前はどんな能力を使って闘うんだ!?」


「……」


「まぁ… 見てな…」



 シンは、ファイティングポーズをとった。


「確か… 拳に意識を集中させるんだったな…」


 シンは大きく振りかぶった。



「くらえ!!」



ヤンキーの拳ヤンキー・パンチ!!(飛ぶバージョン!!)」



「ほぅ… あいつも、リーゼント野郎と似たような技を使うのか…」



「セクストン!!」



「はいよ…」



「ファイヤー!!!!」



 ドン!!!!



 セクストンの砲撃によって、シンの衝撃波はかき消された。


「おー!! すっげー!!」


「ほんとに出た!!」


「しかも、俺にも、銀の何かがついてるぞ!!」


「……」


「驚いた…」


「お前、もしかして、俺と似たような能力を使えるのか!?」


「まっ… まぁ… そんな感じかな…(似たようなってか、あなたの能力なんですけどね…)」



「それよりも… このままじゃ、らちが明かない…」


「俺に考えがある…」



「なぁ… バロウズ…」


「赤の他人が同じ能力を使うなんて聞いたことないぞ…」


「あいつら兄弟か、何かしらの親族なのか…」


「それに、俺と闘った時には、一方的に殴るだけで、あんな衝撃波なんて使ってこなかった…」


「全く、わけがわからんぞ…」



「……」


「まぁ… それが出来ないこともないと思うが…」


「お前… その拳…」


「大丈夫だ!!」



「終わらせるぞ!! こんなバカげたこと!!」



「わかった…」



「セクストン…」


「まずいぞ… タイムリミットが迫ってきている…」


「次の攻撃で決着をつけるぞ… お前は最大火力の砲撃を準備しろ…」



「行くぞ!! チビ野郎!!」


「おう!!」



不良の翔拳ヤンキー・ジョブ!!!! ヤンキーの拳ヤンキー・パンチ!!!!(飛ぶバージョン!!!!)」



「セクストン!! 俺はあの衝撃波を処理する!!」



「タイミングを見て、砲撃しろ!!」



二天飛空斬フライ・スラッシュ!!!!」



 武勇とシンの衝撃波、バロウズの斬撃は何度もぶつかり合い、あたりに土煙が舞った。



「くそっ… 2体1じゃ、身が持たない…」


「だが… ここで引けば… 確実に、やられる…」



「負けるものか!!!!」



 シン達とバロウズの攻防は数分間続いた。



「うん!? さっきから、衝撃波の量が減っている…」



 ニヤッ…



「やった!! あいつらスタミナ切れだ…」



「セクストン!!」



「最大火力… 砲撃準備完了…」



「消し飛べ!!!!」



「ファイヤー!!!!」



 ドン!!!!



 セクストンの砲撃によって、大きな爆発が起こった。



「うわっ… すごい爆風だ…」


「これじゃあ… 立っているのがやっと…」


「くっ… 勝ったぞ…」



「あの爆発の中だ、きっと体ごと消し飛んでいるに違いない!!」



「ハハハ!! ハハハハハ!!!!」



「……」


「ったく… うっせー奴だな…」


「何っ!?」


 爆発の中から、ボロボロになった、武勇が指の骨を鳴らしながら現れた。


「なっ… 何故だ… どうして、生きてるんだ!?」


「……」


「まぁ… 冥土の土産ってやつだ、教えてやる…」



「防御した…」



漢組でみんなで!!!!」



「なっ… 何だと…」


 漢組のメンバーは全員ファイティングポーズをとって、立っていた。そして、漢組は無数の拳の形をした、シールドによって守られていた。


「ハァ… ハァ… 頭!!」



「そいつに目に物見せてやってください!!」



「おう!! 任せろ!!」



「くそっ… そういえば… あのチビは!?」



「ここだ!!」



「何っ!!」



「上空だと!?」



「くらえ!!!!」



 シンの銀の腕輪が強く光り始めた。



ヤンキーの一撃ワンパン!!!!」



 ドン!!!!



 シンの一撃は要塞となった、セクストンに直撃し、体に穴が開いた。



「ぐっ… ぐあぁぁぁぁぁ!!」


「くっ… くそっ…」


 セクストンは人間の姿へと戻っていき、気絶した。



「おい!! セクストン!!」



 ボキッ… ボキッ…


「!?」


「お前… ついに1人になっちまったな…」


 武勇はファイティングポーズをとり、金の腕輪が強く光り始めた。


「まっ… 待て!!」


「……」


「問答無用!!」



不良の制裁ヤキイレ!!!!」



 武勇は何度も、バロウズに拳を叩き込み吹き飛ばした。



「がっ… くそっ…」


 バロウズは気絶した。



「ふぅ… 終わったか…」


「おっ… ととと…」


 武勇はその場に仰向けになって倒れた。



「頭!!」


「頭!! 大丈夫ですか!?」


 漢組のメンバーは武勇のもとに駆け付けた。


「あー… 大丈夫だ…」


「けど少し、疲れた…」


「……」


「そういえば、あのチビは…?」


「あいつなら… 頭と同じ姿勢で倒れてます!!」


「ふぅ… そうか…」


「全く大した奴だ…」



「何っ… 拳の衝撃波であいつらのもとまで飛ばしてくれだと…」


「まぁ… それが出来ないこともないと思うが…」


「お前… その拳…」


「大丈夫だ!!」



「終わらせるぞ!! こんなバカげたこと!!」



「ハァ… ハァ…」



「あー…」


「疲れた…」


 第40話 FIN

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る