第13話 旅立ち

 ー数日後ー


「ご協力、感謝いたします!!」


「あいつら、最近、世間をにぎわせてた、詐欺師の二人組で、我々も、ずっと逮捕のチャンスを狙ってたんですよ!!」


「へ― そうだったんだ…」



「ええと… お礼のお金はすべて、貧困支援にあてさせていただくということでよろしかったですね!?」


「あーそれでいいぜ(ちょっともったいない気がするけど…)」


「では… あとはこちらで対処しますので… 今後ともよろしくお願いします!!」


 警備人ディフェンダーは去っていった。



「さてと… ていうかシン…」


「すごいじゃないか!! あいつ倒したんだって!?」


「まっ… まぁ… おっさんの能力だけどな。」


「それよりも… 師匠、怪我の方は大丈夫か!?」


「まぁ何とか、2、3ヶ月安静にしてれば大丈夫だろうって!!」


「ならよかった!!」



「おーいチビ助!!」


 ラッセルが車いすを引いてやってきた。


 !?


「おっ… おっさん!!」


「大丈夫かよおっさん!?」


「いやーなんとか、助かりましたよ!! 頑張ってみるもんですね~(ハハハ)」


「ならよかったが… あんまり無茶するなよ~」


「あんたは、たくさんの人達の希望なんだから!!」


「大丈夫だチビ助!! これからここの工場は俺自身が守っていくことにするよ!!」


「もうさんには、無茶はさせないよ!!」


「八ハッ!! それがいいや!!」


「いやー皆さん本当にありがとうございます。」


「あっ!! それとシンさん… このブレスレットをお返しします!!」


「そうだった!!」


 ゼンメルはシンにブレスレットを渡した。


「みなさんには本当にお世話になりました…」



「このご恩は一生忘れません!!」



「いいってことよ!!」


「八ッハッハ!! それとチビ助これからどうするんだ!?」


「あー それは…」



「旅に出ようと思う!!」



「へ―いいんじゃないか。 寂しくなるが、達者でな!!」


「旅に安全を祈っております。」


「ありがとう!!」


「それじゃあ!!」


 シンはラッセル、ゼンメルと熱く握手を交わし、工場を後にした。



「あの人たちに別れの挨拶をしてきたか、シン?」


「あーさっきな!!」


「それはよかった… でっ、これからどうするんだ!?」


「それは… 師匠…」


「俺、旅に出ようと思う!!」


「へ―、そりゃなんで?」



「師匠… 俺に言ったよな… “もう一度、ブラックと戦うつもりはないか”って…」


「俺… あいつと闘うまでは自分が一番強いって勘違いしてたんだ…」


「そして、負けてすべてを失って気づいた… 自分の弱さを…」


「だから、旅を通じて仲間を探すことにする!!」



「今度は、仲間と一緒にブラックを倒して、この体を元に戻す!!」



「アッハッハ!! 確かに今のあんたじゃブラックに勝てるわけないか!!(正論)」


「なっ… なんだと!!(言い返せない…)」


「いやーすまない すまない だったら、ここからず――――――っと東に、“仙妖山せんようざん”って山があるんだけど。」


「そこの頂上付近に1人で住んでる“該伯がいはく”っていう、知り合いの、気術医の爺さんがいるから、話しつけといてやるよ!!


「もしかしたら、気とかそういう類のことかもしれないしな!!(私は信じてないけど)」


「本当か!! だったらそこに行ってみるよ!!」


「よし!! 善は急げだ!!」


「あの人、ポックリ逝っちまうかもしれないしな!!(ハハハ)」


「えっ… まじかよ…」


「じゃあ!! もう行くよ!!」



 シンは走り出した…



「いいかー ずーーーーーーっと東にある、“仙妖山せんようざん”だぞ!!」


「わかったーーー!!」



 主人公ジョルジュ・シンは仲間を探す旅に出た。 果たして、彼の運命やいかに――。




「ふぅー あいつも行ったことだし、私も準備するか…」


 ガサッ!!


 !?


「誰だ!!」



 やせ細った、メガネをかけた男が物陰から出てきた。



「あんのー ちょっと道を尋ねたくて~」



「プフッ!!」


「アハハハハ!!」


 プッツーン……



「何がおかしいんだ!! レイ!!」



「いやー やっぱ、いつみても面白いや!!」


 ギリッ……



「こんな役やってられっかーーーー!!!!」



 眼鏡の男は、賭けている眼鏡を思いっきり、地面に叩きつけた。


「いやー悪い悪い!! でも結構似合ってたよ!!」


「ったく!! 君があんなに頭を下げるからやってあげたのに!!」


「そもそも、君は危険すぎる!! あの作戦だって、僕の推測であって、それを、体を張って確かめるってどういう神経してるんだ!! (実際に伸びてたじゃないか)」


「でも… 結局、その推測があってたじゃないか… やっぱ、あんた天才だよ!!」


「なっ!!」


「それに… 頼んだ通り、私になんかあった時は、あいつらを助けてあげたじゃないか!!」


「あんた最高!!」


「いやー 私は本当にいいパートナーを持ったよ!!」 


「はぁ…… まぁいいや…… 本部に帰還しよう…(疲れた…)」


「そうだな!! なんかおごるよ!!」


「お願いするよ…」


 レイと謎の男も出発した。



 なぁ… ライアン… 



 あんたの息子は、もう一度前を向いて歩きだしたよ… 



 あいつはバカだから、これからいろんな事件に巻き込まれたり… 



 たくさんの困難に直面するだろう…



 だから… 



 ずっと暖かく見守ってやってくれ…




「あっ… そういえば、私の弟子はどうだった!?」


「あー あの子は勇敢で正義感に満ちあふれた少年という印象だ…」


「けれど…」



「知性が低すぎないか!?」



「あっ… それは言っちゃダメな奴…」


 第13話 FIN

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る