第10話 レナルドの能力
シンジラレン…。 アノチビ、ランドルヲタオシタノカ…。
……
マアイイ、コイツラジャオレニハカテンダロ…。
「ブッツブシテヤル!!」
レナルドは巨大な手を組みそれを頭上に掲げ、振り下ろした。
「
「シン!! 避けるぞ!!」
「大丈夫だ!! 師匠!!」
!?
シンは巨手に向かって、大きく跳んだ。
おっさん、力を借りるぜ…。
はぁぁぁぁぁ!!
「
ドン!!
シンは拳を突き上げ、レナルドの巨手と衝突させた。
それは、大きな音を立て、衝撃波を生んだ。
バーン!!
「ナッ…。 ナンダト!!(グラッ)」
「うわー!!(ドンッ!!)」
レナルドはバランス大きくを崩して、倒れた。
一方シンは、衝撃によって地面に思いきり叩きつけられた。
両者の衝突によって土埃が舞った…。
「ゲホッ、ゲホッ、おい! シン大丈夫か!」
「ハァハァ あー、なんとか無事だ。」
「だったらよかった…(ふぅー)」
「にしても、シン! 能力戻ったんだな!!」
「いや、これは、俺のやつじゃない、おっさんのなんだ。 多分、この腕輪が関係しているんだと思う。」
「あっ、そうなのか…」
「だから、コントロールが完璧にできていないのが現状だ。 それと、いつまで、使えるのかわからない。」
「そうか… けれど、あいつを倒した…」
ゴゴゴゴゴゴ……
!?
「師匠、まだ、終わらせてくれないようだ。」
レナルドは立ち上がり、息を荒げていた。
「グゥゥゥゥゥ……」
ウカツダッタ、マサカアイツ二、アンナノウリョクガアッタトハ。
「モウ、ヨウシャシナイ!!」
バキッ!! バキバキバキ!!
「何だ!?」
「
ガチッ!!
「巨岩の騎士王≪フェルゼンリッターケーニッシ≫」
「おいおいまじかよ…。 あいつの右手が剣に、左手が盾になった!!」
「ハァハァ…。 イッタダロ…、モウヨウシャハシナイト!!」
「クラエ!!」
「!!」
レナルドは、剣になった、右手で地面を薙ぎ払った…。
「ぐあっ!!」
剣の衝撃波は二人を吹き飛ばした…。
ガッ…。
「ハァハァ… なっ… なんだよあれ… あんなのにどうやって勝てばいいんだよ…。」
「ハァハァ… シッ… シン… 一つ策がある…」
「何っ!! ほんとか!?」
「でも、正直これが通用するかはわからない… それでもいいか…?」
「…… いいぜ、やろう。」
「OK… なら、私をあいつの頭上へ、放り投げてくれ…」
!?
「ちょっちょっと待ってくれ!! 師匠それは危険すぎる!!」
「もっとほかの方法を…」
「シン!!」
!?
「私にも、カッコつけさせろ!!(ニッ)」
「何だよそれ… まぁ師匠を信じてみるよ…」
「すまんな! タイミングは私が教えるから、準備しとけよ!」
「はいはい」
グゥゥゥゥ……
「アイツラ、マダイキガアルノカ… ツギデキメテヤル…」
ランドルはもう一度、薙ぎ払いを繰り出す体勢をとった。
「クラエ!!」
「今だシン!! 私を投げろ!!」
「わかった!! はぁぁぁぁ…」
「ぶっ飛べー!!!!」
シンはレイをランドルに向けて放り投げた。
「クッ… ナニヲカンガエテイル… マァイイ、コノママツルギデツブシテヤルワ!!」
「!!」
「ふっ… やっぱりか」
レイは、攻撃が決まるよりも早くランドルの頭上にいた。そして、ランドルの薙ぎ払いは、レイのスピードに勝てず、大きく空振りをした。
「ナンダト!!」
「師匠!! すげー!!」
「くらえ!!」
「
大きく体勢を崩した、ランドルの後頭部にレイは強烈な跳び蹴りをくらわせた。
「ガハッ!!」
「うわっ! まじかよ!」
「バターン!!」
ランドルはそのままうつ伏せになって倒れた。
シュッ…
「シン大丈夫か!!」
「なんとか無事だ! にしても師匠スゲーな! あれはどういう作戦なんだ?」
「あー、まず、あいつは一度構えると、すぐには体勢を変えることが出来ないんだ。だから、わざと、私に注意が向くような状態を作った。そうすれば、強引にでも私に攻撃の矛先を向けると思ったんだ。 そして、無茶な体勢からの攻撃で隙が出来たあいつに、跳び蹴りを食らわせた、というわけ。」
「ほーなるほどねぇ」
「そして、あいつにはもう一つ弱点があるんだ……」
「なにっ!?」
ゴゴゴゴゴゴ……
!?
「ゴォォォ……」
「まだ、決着はついていないようだね」
「ハァハァ…… グゥゥゥゥ……」
ブウン!!
「うわっ!!」
レナルドは剣を振り回し暴れ始めた。
「グォォォ……」
「うわっ! あいつもしかして、怒りで、理性を失っているのか!?」
「くそっ! これじゃ、反撃できない!」
シンとレイはレナルドの攻撃を避けることでいっぱいになっていた。
「ハァハァ… やばい、体力がつきそうだ…」
その時… レナルドの剣がシンに襲い掛かった。
「もうだめだ……」
バーン!!
「がはっ!!」
……あれっ、俺生きてる、何とか助かったのか…
!?
師匠……
「師匠!!」
レイは、シンをかばい、剣の攻撃が直撃した、そして、シンの反対側にはね飛ばされていた。
「大丈夫か!! 師匠!!」
「ハァハァ… シン… すまないな、もう体が動かない……」
「嘘だろ!! しっかりしてくれよ!!」
「ハァ… シン…」
「久しぶりに、アンタと闘えて楽しかったよ…」
レイはゆっくりと目を閉じた。
「くそっ!! くそーっ!!」
シンは何も考えずに、レナルドの足を、殴り始めた。
「お前だ!! お前のせいで師匠が!! 許さねぇ… 絶対に許さねぇ!!」
シンの腕はボロボロになっていた。
そして… 無慈悲な攻撃。
「がはっ!!」
シンははね飛ばされた。 しかし、今は、立ち向かうことしか頭になかった。
そのたび、攻撃を受け、ボロボロになりながら、何度も立ち上がった。
しかし、心は折れかけようとしていた…
だめだ… 俺の力じゃこいつには勝てない…
もう楽になろう…
諦めようとしたとき、レナルドの剣が、シンに振り下ろされた。
ここまでか…
ドーン!!
「チビ助… しっかりしろ!!」
!?
「あんた… あん時の!」
貧困層の代表として意見していた、男がシンを抱えて救助した。
「すまねぇな… 本当だったら俺たちが立ち上がらねぇといけねぇのに…」
「おめぇらが闘っている姿は、ずっと見ていた。 そして、指をくわえて見てることしかできない自分に腹がった…」
「だから、俺は… いや俺たちはもう逃げない、最後まであの化け物と闘ってやる!!」
「うぉーーーーーーっ!!」
人々の心が一つになった。
何だ、この感覚は、体は限界で、勝てる見込みはない、けれど…
負ける気がしない!!
「ふっ… ハハハハハハ!!」
!?
「えっなんで、笑ってるの!?」
「いや、なんかよ… 希望が湧いてきた!」
「みんな聞いてくれ!! 俺たちが束になってもあいつに勝てるとは限らない、それでも…」
「共に闘ってくれるか!?」
「おーーーーーーっ!!!!」
「それじゃあ行くぜバカ野郎ども!!
師匠、仇は絶対にとるからな…
「…すみません」
「あんのー すみません…」
ズコッ!!
やせ細った、メガネをかけた男が言った。
「せっかく、一致団結して闘おうって時に、なんだその気の抜けた声は!!」
「あーすんません でも、1つ気になることが、もしかして、これってアイツの弱点なんじゃ…」
「何っ!?」
第10話 FIN
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