6 妖精の恋人
「リャナン・シー」
唐突にそう言ったのは、またも
唐揚げにかぶりついて
「仮ではあるけど、起きた状況から逆算したら、たぶんその名前が一番
また唐揚げに
それを受けて、ねぎを飲み込んだロビンが続ける。
「ナオからもらった事前資料、さっきも言った通り、
「教養という点では一番の
「……
「……ムダな抵抗」
「前の記事と
「……ですよね」
言ってつまんだフライドポテトを口に投げ込むのまでサマになるので、なんとも美形は得である。
自分だって特別に書いたわけではない。何かに取り憑かれながら書いたのは事実上確かなのだが。
「あ、別に新しいのが異常に
「ロビンくん、それ下手にやると傷口に塩」
気を
「とりあえず、高橋くんが何かに
「うん。んで、何かじゃなくて、リャナン・シーってことにしておこう」
リャナ、と口中で繰り返して
「
「何度も聞いてるけど、夢があるのかないのかわからない話だよなあ、それ」
「そこは両者共に
「あ、でも、アイルランドの文学かじった時に、少しは妖精の話、聞きましたね」
ロビンが
ロビンの目が気持ち優しくこちらに向けられる。
「たしか、アイルランド語だと、ディーネ・マハとかディーネ・ベガ、とか
「
「ところで、ロビンくん、そろそろかっこつけようとするのか、しないのか決めない? めっちゃ、日本語
それを見て
「それにしちゃ
「センセイまで……」
「いや、俺、気にしないんで、どうぞ、楽に」
そう言えば、ロビンはその凶悪な顔のまま
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