1 事の起こりは
◆
とはいえ、昨今はライトなものばかりの依頼が来る。
こればかりは時代の潮流としか言いようもないので、本来は純文学志向の
そんな
いつものようにライト文芸をピックアップしたウェブ記事の依頼を受けて、しっかりと下調べをした上でいつものように書いただけのはずだったのだが、これが予想外にバズった。
別に何の変哲もないものなのに、バズった。
なんなら、純文学志向系の他ライターからちょっと皮肉気味のお
狐につままれたような顔とはこういう事かと、鏡とにらめっこをした。
ただ、その頃から少しばかり夢見が悪かったように思う。
漠然としか覚えていないが、カスタードクリームを胃に
その一週間後、また別の記事がバズった。
やっぱりそんなつもりはなかった。
いつも通りにいつものように、丁寧ではあるがそれ以上にはならなさそうなレベル感で書いたはずなのに。
その頃から、顔見知りの同業者と顔を合わせると、心配そうな顔でどうかしたのか、と問われるようになった。
最初はやっかみか、自分でもわからん、と思っていたのだが、余りにも重なるので、鏡でよくよく自分の顔を見てみたがよくわからない。
普段の自分と見比べようと写真を探してみたが、五年以上前の大学時代のものしかなかったので
夢見は明らかに悪かった。
絶え間なく耳を
そうして冷や汗だらけで飛び起きて、一、二度トイレに
その翌週、またバズった。今回に至ってはウェブ版と冊子と両方で出るタイプのもので、冊子版でもやたら好評だったらしい。
が、それどころではなかった。
夢見のせいだとは分かっていたが、なんであんな夢を見るのかわからない、というほどに鮮明な印象になっていた。
まして、大学時代にこっぴどくフラレて以降、
だから冷や汗だらけで飛び起きて、吐き気を
結果、とうとう同業者どころか、顔を出した出版社の編集者にも心配された。
夢見が悪くて、と素直に言ったが、それでも心配された。
そこで名前が出てきたのが、
少なくともどこか別の同業者から名前を聞いたような気はする。堅実さが持ち味なのに変な
なんでも、前にその編集者も何らかの色々でその
そしてどうも向こうも
大柄とは言えないが、柔道などでもしていたのかと思わせる肩幅の広い、
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