12 不審者かく語りき
同時に、おにーさんにあの十円玉を奪われてから、心に
「センセイ! こんなところにいた!」
そんな青年の声が道路の向こうの方から聞こえた。
そちらを見れば、何本か向こうの道路の方から、ひょろりと背の高い金髪の青年がこの駐車場の方に
「あーらら、見つかっちゃった」
いたずらっ子の笑顔を浮かべて、おにーさんは肩を
気のせいでなければ、先生、と呼ばれていた気がする。
いや、でもこんな人が大学の先生だとしたら、ちょっと世の中の行く末を小学生なりに心配してしまう。
「ああ、後で何者か教えるって言ったね、そういえば」
くすくすと笑いながら、おにーさんは右目の
最初から
「僕は、そう、世間的に言えば、霊能力者ってやつさ」
確かに
「でも、僕に話しかけてくれたの、僕がコックリさんの変な事に巻き込まれないようにって事でしょ?」
そう言うと、おにーさんは
「まあ、そうなるよ、うん。面と向かって言われると、なんかむず
確かに
いや、ところどころ
「あ、今こっちに来てるお兄さんに捕まると長いから、もうキミは帰りなさい。主に
最後も
というかそう言われると、このおにーさんのおかげでたぶんきっと助かったとはいえ、
「ほら、もう行きな」
「……あの、ありがとう、おにーさん」
半分だけ残ったコーラのペットボトルを
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