Arthur O'Bower 12
「…………」
「……あの、キミ、ごめんなさい」
何度か
「あ、ああ、アレか、アレのことね」
単純に考えが至らなかったフリで、
口元の表情を変えることは忘れてたから、たぶん大丈夫。
「ロビンが謝る必要はないよ、うん」
「……あのね、あの、キミを指差してね、
唐突にロビンの口から、単に再現されただけの、それでも確実に日本語の音が飛び出て来た。
ということは、僕があの
「
言ってたの、とロビンは続けた。
あのヒトが言っただろう言葉を、そのままの発音で、
それが、僕の望みを反映したものなのか、それとも昔、母があのヒトに押し付けた、
「そう、ありがとう。ロビン、教えてくれて」
ロビンは少しだけ
それでいい。それがいい。そうでなければ。
そこまで考えて、強制的に心の中の棚の高い段にこの案件を放り込む。考えるのは、後でいい。
丁度その時、再度、ドアをノックする音がして、シンシアと一緒に、ロビンと同じ
シンシアにせっつかれるようにして、彼は僕の前に来ると軽く礼をして言った。
「セオドリック・イングラムと言います。昨日は、本当に、ありがとうございました」
「いえ、僕こそ、伸びてたところを運んでいただいたとのことで、ありがとうございました」
今の世の中、あんな事普通信じませんからね、と、そうフォローすれば、鋭い目つきの眉尻を少し下げてバツが悪そうに笑みを
「……そう、ですね。母の考えを完全に無視したせいで、ロビンにも、シーラにも、可哀想な思いをさせてしまいました」
そうは言っても、そっとセオドリックがロビンの頭に手を乗せれば、ロビンは
日常的に暴力が振るうなどをしていたわけではない、何よりの証拠だ。
それならば僕から言うことはない。
きっと、シンシアと一緒に後から来たのは、そういう事情なのだろうから。
「その
「ちょいと、あたしをなんだと思ってるのさ」
「シンシアに怒られ慣れてるからそう言ってるんだけどなあ」
シンシアのお
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