Arthur O'Bower 7
「
その目により朝
お前も知った、今知った」
ばちん、と夜にブレーカーが落ちたように左目の視界が真っ暗になる。
左目に痛みはない。ただ強烈な違和感だけが右目の奥から脳へと抜ける。
見えるものが全て全て、
「混ざってしまった
「……」
「そう、お前の匂いは夜の嵐、
右目からの
ああ、それは確かに、呪いで祝福で、そして、僕の能力を彼女が認めてくれたということではあるのだろう。
今なら、何もかも
エインセルが指を
「孤独なる賢者よ、お前の旅路に災難あれ。お前の旅路に幸運あれ。どこまでも
――それでは、ご
最後に、にこりと笑ったエインセルはそうして、瞬き一つの内に消えた。
重い空気から、解放されて、力が抜ける。
どうにか、終わった。
それを理解した瞬間、どっと汗が
「キミ、ロビン、シーラ!」
シンシアの声に振り返る余裕もない。
何か話してるのは聞こえるが、意味を拾う余裕もない。
ああ、これ、ダメなやつ。
そう思った時点で、鼻から
「キミ!?」
軽く
誰かの悲鳴が聞こえた気がする。
「あ……だい、じょぶ、鼻血、鼻血だか、ら」
いつの間にか日が落ちきっていたわけだが、丸半分が欠落した視界がちかちかする。
声が遠いし、頭の芯が熱い。少しの光で、右目が痛む。
ぐらりと視界が、
「ごめ……シンシア」
あと、
そうちゃんと言い終えられたか、それも分からない内に僕は意識を
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