How many miles to Babylon? 5
◆
「あー、
「それは、こっちの、せりふだよ……」
天井を向いて、熱くなった脳を冷ますように大きく深呼吸する僕と、対照的に下を向いて、ぜえぜえと息を切らすシンシアを、ロビンは目を丸くして見ていた。
よろよろと立ち上がったシンシアがお茶を
最悪、かたっぽの腎臓や片目や肝臓の一部ならいいかな、などと考えてから、妖精はヤとクとザのつくこわあい職業だったのか……などと
「今の論理を元にロビンの力の性質を変じさせてー、ロビンのお母さんを取り戻してー、あー、交渉のために向こうも引きずり出さなきゃなー」
「たぶん口から考え事、ダダ漏れてるよ。日本語はわからんがね」
シンシアがそうツッコミながら、
ぽとぽとぽと、と角砂糖を三個ばかり紅茶に
「……あっつ」
なんとか飲み込んだけど熱かった。
あと、熱いけどろくにかき混ぜなかったから、口の中が甘くてじょりじょりする。
「さて、どうしよっか、シンシア」
「あたしゃ、あんたのその切り替えの早さをどうしたもんかと思うよ」
ちびちびと、
「向こうと交渉するには
「語が強いよ……なんだか、妙に好戦的になってないかい、あんた」
「スイッチ、入ったからかな?」
準備はできたわけだしねえ、とロビンの方を見てから、窓に目を向ける。
「それに、夕方辺りまでなら僕が動くには十二分だ。夜だったら、ちょっとばかり向こうの領域に過ぎる」
なお、ロビンのおばあちゃんはあれから襲来してない。
「とりあえず、ロビンは
「人ん
「……
「話が飛び過ぎだよ」
僕にとって、思考は脳の潤滑油みたいなもんである。
だから、こういう時は一足どころか、二足、三足飛ばし気味である。
一足飛ばしはお前の通常運行だ、は誰に言われたんだったかな。
「あれだ、
「ああ、
そういうところの勉強はしてるんだよね、あんた。
「あと、ガーデンテーブルセットとかない? あとうっかり壊しても大丈夫だけどもてなすに相応のティーセットと、あとちょっとしたのでいいからお茶菓子と」
「あと、の注文が多い!」
シンシアのツッコミに、じっと僕らの応酬に合わせて首を動かしていたロビンがくすくすと笑った。
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