How many miles to Babylon? 4
「祝福にするって、何を言ってんだい」
「
さっきから、眉間のしわの深さをシンシアの理解度の指標にしている気がする。
大変申し訳ない。申し訳ないが仕方ない。
「いろんな話において、祝福とそれに準じる正当性のある能力はそれを
「待ってくれ、待ってくれ、せめて具体例を出して」
「えー、ギリシャ神話のベレロポーンとペガサスとか? 昔話だとちょっと多すぎるんだよなあ」
脳内での
ちょっと抽象的すぎるもんね。
そう思いながら、手近の椅子に座って、足を組む。
「そもそもとして、一般的に英語で言う
「ああ、もう、詰め込んでくるんじゃないよ!」
詰め込んで破裂するなら風船かな、なんていう連想が出てきたのを
まあ、普通はそうなるのか、そうか。
「……えー、じゃあ、ラテン語系の
「……ちょっと混乱したが、ようは、あんたはどっちもモノとしては同じだって言いたいんだろ? お得意の理論と同じってことだ」
「あ、うん、そうそう。それが直接人に作用するか、方向性のある何か意思あるものとして人に接触して作用するかのちが」
「それを! 最初に! お言い!」
怒られた。とうとう
いや、シンシアはよく今まで僕の言葉を
「で? ロビンにそれをするって?」
「うん。だから、僕の仮説に対してシンシアに反証して欲しい。反証が成り立てば、その仮説は使えない。それで絞り込んでから、一番安全かつ可能性の高い理論に落とし込みたい……まあ、文化の奥の無意識を探る作業になるから、違和感がある時点で声挙げてもらえればいいよ」
「そうすると、どうなるのさ?」
「彼らからの悪影響を
ただ、向こうもただじゃ転ばないだろう。
「でも、論理を作っただけじゃ起きた事態に
「交渉って、まさか」
シンシアがまた眉根を寄せている。
しわがクセになるんじゃなかろうか。
ちょっと心配になってきた。
「彼らに決まってるだろ?」
シンシアの顔が今までで見たことがないほどしわくちゃになった。
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