Good fellows' Robin 6
ロビンが見たものについて、僕には心当たりしかない。今じゃ、さっきみたいに、ほんの一瞬だけ、匂いを感じるぐらいなのに。
「そんなに、僕の
「……よくわかんないののほかは、見えないよ? なんか、あらしとおんなじにおいだって言って、みんなよけてる」
「あらしのにおい」というのはよく分からないが、ロビンの言うみんなを、明確にしておいた方がいいか。
「ふむ、ねえ、ロビン、みんなって、
「うん」
ですよね、知ってた。
そう
「ちょっと待ってなね、スープもあるから」
「手伝う?」
立とうとすると、無言で目だけで制された。
そのまま、すとんと座り直すと、くすくすとロビンが笑った。
どうにか心は開いてもらえたらしい。
その様子を見てシンシアが笑う。
「おや、もうそこまで仲良くなったのかい?」
「僕のそばは
「この上なく不審者なのに?」
「うーん、正論……」
否定はしない。否定できるほどの材料がない。
結局のところ、
警戒して
君子
考えてて、「果たして僕はそこまで
「……あんたたち、何してんのさ」
シンシアの言葉に、ちらりと横を見れば、どうやらロビンは考え込んでいた僕を、そのままじっと見ていたらしかった。
「いや、ちょっとばかり自分の不審者度がどんなもんかと……」
「安心しな、そう言ってる時点で、無限大だよ」
容赦ないシンシアの一言が突き刺さる。
いや、不審者と自覚してる時点で、と言われればそれまでなんだけど。
「ほら、ロビン、冷める前におあがり」
シンシアにそう言われて、ロビンは初めてスープに口をつけた。
「で、キミ、あんたはロビンをどう見てるのさ」
「ん? 逸材」
端的にそう返して、サンドイッチを一口かじる。
チーズオムレツのサンドイッチは冷める前に食べるのがやっぱり一番だ。
「逸材って」
「だって、僕だって見えないものを見てるし?」
ロビンが僕の
どれだけ僕自身がそれを見たがったとしても、見えない、あるいは見えるべきでない、のだ。
「こっちでは、
「どう聞いても不吉な意味合いにしか聞こえないヤなやつだね」
「でも事実ってもんは変わらないぜ、シンシア」
それに、他にも気になる事はいくつかある。
一生懸命、スープをすくって食べているロビンに視線を向けつつ、口を開く。
「火掻き棒」
びくっとロビンが身を震わせた。
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