7 魂は天に
「……サンプル、一つだけ?」
「いんや」
この師匠が言い出すには、それなりにサンプルを用意していないはずもないのだ。
実際、
「ただ有名なのがそれだけ。他だと、
「……意外と
伝承はさておき、
「んー、一応、根底の一つには平安期の仏教書にある地獄に落ちて責め苦にあう亡者の
「ソクジョウ……」
「あ、はいこれ」
「ああ、なるほど、足が上で頭が下。まさしく逆さまだね」
「もう一つ考えられる理由が、死者の
わざわざ同じ漢字で表せるものを言い直すからには、そこに意味がないわけもなく。
それぐらい読み取れる
「……
「も、踏まえた方がわかりやすいかなあって」
また諸説あるものを、と思いつつ、一般論として、古代中国由来の
その上で、
「天ってこと?」
諸説はありつつも、死後、
特に、虎の
「死者の魂を呼ぶ、
「……つまり、その状態から普通に人を見ようとすると逆さになるって?」
段差の上に立ったまま、段差下の人間の顔を見ようとすると、その落差にもよるが、確かに
「そうそう。同時に普通そうまでして見るか、って話にもなるかなあって」
「あ、そこは完全にセンセイの持論ってことね」
微妙なトーンの違いからその
ずっとこのノリに付き合っているのだから、その程度は簡単だ。
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