10 織歌の仮説4
「それは、怪談上に登場しない、けれど、いておかしくなかった誰かです」
なんともあやふやな言葉が
その余りのあやふやさに一瞬、
「オーリーカー」
「はい、端的に言えば、目撃者です」
説明が足りないと言わんばかりの
「目、撃者……」
「はい、目撃者、です。飛び降りをこの場で目撃してしまった、誰かです」
「だから、コレを見てしまったものは共鳴して校舎の外に慌てて出ようとする。間に合うはずもないのに、間に合えと、最悪を
ロビンのその言葉は、やけに
「きっと、夕焼けの綺麗な日だったのでしょう。今日のように。きっと、窓越しに目があったのでしょう。私や
「そして、それがむこうに在るだけの力に、志向性を与えた。結果、それは近しい条件下で再演を
ロビンがその先を引き
「であれば、時間が限定されなかったのも
「何、簡単な話だよ。今日みたいな夕焼けが見えてれば、冬だろうと夏だろうと観測者に対して
――日の長さが違うんだから。
そう言われて、なるほど、と真由は思った。
そこで、別の事を思い出す。
「でも、この噂って、一旦途切れたんですよね」
「そうですね。でも、聞いた話だと、
「うん、
専門家二人の言い分に、そういうものなのか、と
「というわけで、
「えっと、はい……」
むしろ、ここまで
「オリカ、いいよ、やっちゃって」
「はい。そしたら、
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