9 織歌の仮説3
「ロビンさんは私よりも耐性がありますから、たぶんほとんど無かったはずです」
「そうだね、それはボクにはなかった。でも、オリカ、その耐性の意味、単純にこういう怪異を見る事を指した耐性、ではないね?」
「はい。これは、私の特性が特性だからわかる、というのもあります。コレに害らしい害はそこまでありません。けれど、この
「……はい?」
隣でわずかにああ、とロビンが声を上げていたが、
「
ロビンがそう悩み悩み口にする。
それを聞いて、
「この感情は私のものでもありませんし、真由さんのものでもありません。コレに引っ張られたものです。でも、それなら、この感情は誰のものでしょう」
「……えっと、飛び降り自殺した、生徒?」
唐突な話の流れの変化に頭が追いつかない
「いいえ、その人のものでもありません。そうであれば、外側から見たロビンさんが『こっちからはあんまり』なんて言わないのです」
そういえば、校舎をぐるりと
「オリカが
「ええ、そのロビンさんが外側で『こっちからはあんまり』なんて言ったということは、外側からコレをはっきりとは見る事ができなかったということです。飛び降りた本人の想念が志向性を与えたものであれば、その飛び降りの経路上に、他にも影響を与えて
「……どうして、四階だけって、そういう事、ですか?」
「そう。外の着地点になるはずの場所、一階と二階、二階と三階のそれぞれの踊り場の窓、全てにおいて、ボクはコレに
ロビンが
「本人の思念であるなら、それは不可解だ。文化的に
整然とロビンが言う。
「だから、本人であるとしたら、
「えっと、じゃあ、結局、誰……?」
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