1 Who are you?
「大丈夫ですか?」
ふわふわと、どこかのんびりした
「……あ」
その声を聞いて、どっと冷や汗が流れて、
全身の力が
「うーん、どう見てもそういうことですかね、ロビンさん」
「どう見てもそういうことでしょ」
ふわふわとした声への返答は
「オリカ、ちょっと、この子、どけて」
「……は、すみ、ません」
どこか
けれども立ち上がるほどの力は入らず、地面にへたりこんだままだ。
その
「もう大丈夫ですよ」
ほわほわとした声にそちらに顔を向ければ、その声の雰囲気にぴったりな、少し
「ねえ、ロビンさん」
彼女が視線を向けた先、
「ああ、うん、大丈夫だよ、大丈夫」
投げやりな言い方といい、目つきといい、その
「でも、話は聞いた方がいい。オリカ、お願いしていい?」
砂を
「一人で大丈夫ですか?」
「……大丈夫じゃなかったら、振り切ってくる」
オリカと呼ばれている少女が眉間にシワを寄せた。
「それって大丈夫って言わないですよ」
「見た感じ、振り切るだけならできるから大丈夫」
ひらひらと手を振って、ロビンと呼ばれていた青年はさくさくと
「もー、ロビンさんったら……まあ、あの人の場合、実際のところ過信ではないのでいいんですけど」
唇を
「立てますか?」
「えっと、なんとか」
というか、追いかけて来てすらないのに、
「怪我はないみたいですね。なんだかんだ言って、ロビンさんは紳士ですし」
そう言う少女に手を引かれるようにして立ち上がると、足に
靴を見下ろして見てみれば、
「あら、左右逆ですか?」
「みたいです……」
つられて視線を落とした少女に言われて、苦笑しながらそう答えるしかなかった。それ
彼女の肩を借りて、どうにか靴を
「さてと、どうしましょうか。
思わずこくりと
なんとなく育ちの良さを感じる彼女のふわふわとした、
「えっと、あの、わたし、この高校の二年生で
しどろもどろにそう言えば、彼女もはたとそのことに思い至ったのだろう。ふわりとその
一昔、二昔前の少女漫画なら花を背負っていたんじゃなかろうか、というような笑顔である。
「ああ、申し遅れました。私は
うーん、と眉を八の字にして、肩にかけたトートバッグの持ち手を頼りなさげに握りしめ、
「……ちょっと説明がしにくくはあるんですけど、でもロビンさんがああ言ってた以上、
小首を
「逆さまの幽霊のお話」
一瞬だけ、周囲の温度が
けれど、それもほんの一瞬だけ。
それは、
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