第42話 短い時間

お盆休み


仕事柄

お盆休みを取れなかった


夏休みなるものは存在したが

取れた覚えが無い


それでも今年は

遅い盆休みを取れ

短い期間ではあるが

お墓参りにでも行こうかと


久しぶりのお寺は

お盆も過ぎたというのに

線香の煙が登り

お香の香りが漂っていた


暑さに汗を拭きながら

手に持った花だけは

生き生きとして揺れている


青い空に見える太陽の光は

陽炎のように揺れ

肌を焼いていたというのに


境内の砂利道を叩き始めた

突然の水飛沫に戸惑い

茶屋の軒先へと二人で逃げ込めば


青い空から落ちてくる水滴を見つめ

手桶を持った貴方が

通り過ぎた雨に

肩を濡らしていた

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