第31話 脳味噌が沸く



元々冷房の風が好きではない


窓を開けて

風鈴の音など聞きながら

急に入ってくる強い風が

肩を出したシャツの上を通り過ぎていくのが好きだ

京都では数日前

清水寺へ南部風鈴の奉納


然し

暑い

風が無ければ

暑いだけの部屋


水出し珈琲でも作ろうと

自分でブレンドした豆を出し

珈琲ミルの蓋を開け

珈琲豆を入れる



蓋を開けてどうする?


蓋を開ければ

挽かれたパウダー状の

珈琲豆パウダーが出てくるはず


そこへ豆を入れてどうする?


私は豆を袋に戻す

そしてミルの蓋を閉めて

その上に珈琲豆を置いて

ミルのハンドルを回し始める


危うく砕いていない珈琲豆で

水出し珈琲を作るところであった



って作るんかーい!


夏真っ盛りの真昼の

沸騰した中枢神経系

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