第11話 いのち
窓を叩いては微笑む春の風も去り
しとしとと窓にぶつかる雨が来た
窓の外では
この雨の中
小鳥が水溜りの水をつついては
ブルブルと体を震わせ
雨の雫を払っている
晴れたら容赦の無い熱気が
辺りを焦がすのであろう
この暑い日は
やがて嵐を呼び
空虚な胸のように
乾いた大地は精一杯に雨を吸い込むだろう
溢れるばかりの雨が
何もかも流してしまい
残るものは
何んなのだろうか
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