第9話 西風



何の前触れも無く

西から風が吹く


何処からやって来るのか

心地良い風が頬を撫でる


決して冷ややかでは無いが

乾燥した風が私を落ち着かす


焼けた肌に浮き出た水滴も

いつの間にか潮に変わり


やがて過ぎ去って行く風よ

出来るなら季節の移り変わりを知らせるように

悲しい過去を持ち去った後は

恋人達に更なる愛を運んで来て欲しい

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