第4話 遠い日々



熱くなり始めた砂浜で


缶ビールの蓋を開け喉を潤すと


火照った体から

どっと汗が噴き出る


狂ったように照りつける太陽に

自分自身を失うのか


自由奔放に生きて行く時は過ぎたというのに

長い冬を越え

過ごしやすかった短い暖かな日々は去り

あの暑い日々がやって来る


向こうの岸壁では

何が釣れたのか

釣り人が竿を立てて

糸を巻く姿が見える


握り潰した

ビールの空き缶を片手に


何を考えているのやら


やがて来る暑い日々に心を奪われている

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