第3話 アストランティアの咲く頃 皐月より



強く光る星の三角の頂点


琴座のベガ

鷲座のアルタイル

白鳥座のデネブ


ベガ

織姫


アルタイル

彦星


デネブ

天乃川の星


夜空を流れる川の中心に光る星は

川を渡る標となり

光を頼りに川を渡ると

出会う二人


真紅の太陽は雲まで染めて

もうすぐ日が暮れようとしている


七夕の日に降る雨

催涙雨と言われている

その日は天空を渡る川が氾濫して

川を渡れず

会えない悲しみで流す涙が

遥か彼方から降ってくる織姫の涙


愛する人に会えない悲しみ


あなたに会えたなら

どんなに幸せだろうかと

思う気持ちは祈りとなり


両手を胸に当てた傍らで

アストランティアの花が揺れている

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