3,解決と捜査

 嶋田は縁側でほんの少しの時間、パソコンをいじっているとすぐに理解したようだ。

「分かりました!!一つ目は全く関係ないもんで、答えは「たぶんみつからないよ」GANEMEは、アナグラムで、並び替えるとMEGANE。つまりメガネです。で、めを抜くと、答えは『たぶんみつからないよ』になるわけですね。まあ、これは単なるバカな挑発っすね」

最後の言葉、鬼にとってはウザかったんじゃないのか??


「んで、二つ目も簡単だった。鬼はあんまり暗号を知らないんでしょうね。矢印は、縦読み。一つ目は、コンピュータ、二つ目は畑ん中になる。これが、隠れ家なんでしょう。コンピュータというのは、恐らく鬼がコンピュータ上で使う隠れ家。そして、畑はパソコンを置いている場所でしょう」

ほほう、なるほど。


んで・・・・・どこの畑なんだ!!

「多分、それもどこかに隠されているはず。探してみましょう。何かおかしいところを探してみて」

えっと・・・・・暗号を何回も読むと、いや、数回読むと分かるはずだ。おかしなところは、『チューインガん』だ。俺的に、縦読み暗号のためだけにやったと思ったのだが・・・・・。

「意味があるはず。チューインガん。ガンは銃のことかな?」

「いや、なんか違う気がする。んは関係ねぇんじゃねぇか?」

「ああ、確かにそうですね。んは関係なさそうです。すると、チューインガになりますが・・・・・何だ?」

彼女も悩んでいる。鬼もなかなかやる・・・・・のか?


 そのころ、浦島は鬼釣りを楽しんでいた。

「よっしゃ、どんどん鬼は引っかかってくるぜ。ガッポガポだ」

「おい、金稼ぎのためにやってんじゃねぇだろ?」

「まあな」

ひとまず、どんどん金が入ってきている。これで鬼の資金を断っちまおうという作戦だ。だが・・・・・

「多分相手は収入ヤバいな。キリがない」


そして、浦島がニヤリと笑って言った。

「俺の友達を鬼のパソコンのハッキング作業に当たらせているんだが・・・・・」

「どんな友達なんだよ」

坂田は不審な友達を疑う。

「まあ、良いやつだよ。何回か捕まってるけど」

「ダメじゃん」

「でも、今は大丈夫さ。多分。ヤバいのは俺の方じゃないか?」

確かにな・・・・・。

「そうだ、もうすぐこっち来てくれるらしいぜ。会おう」

はぁ・・・・・。


 いかにも険悪な形相をした人がやってきた。俺、坂田、嶋田の三人は震え上がるほどの顔だ。いかにも悪人というものだが・・・・・。

「よお、俺が有名なハッカー、墓前黑はかまえくろだ。本名じゃねぇが」

「ところで、訊きたいことがありまして。あなたの知り合いのハッカーに最近この県を攻撃している人間はいますか?」

「いる」

彼は、即答で断言した。

「名前は闇夜夜鬼やみよやき。世界的なハッカーで、様々な国のハッキングを世界中のハッカーと一緒にやっている。俺よりヤバいやつだ」

「リーダーは闇夜夜鬼・・・・・分かりました、ありがとうございます」

「いや、奴はリーダーじゃないらしいぜ。リーダーは一般人らしい。少し特別だがな」

特別?特別ってなんだろう?


彼は、ささっと相手の身元を特定してくれた。

「リーダーは扇田吾郎おうだごろう。三十七歳。犯罪者だ。どっかの市長だったらしいぜ」

はぁ・・・・・なんで捕まったんだ?

「んなの知らねぇよ」

あっさりと答えられた。まあいい。調査開始だ。


大体わかったかもしれないらしい。

「その人、議員選に出馬して、当選したんだけど、色んな犯罪やって捕まったらしいんです」

嶋田が言った。

「でも、そんなにあっさり?」

「ん~??」

それはそうだよな・・・・・。

実は、隠れた犯罪者がそこにいた。

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