2,メンバー探し

 暗号はもはや解けそうにない。俺の頭じゃあ、無理だ。

「おい、鬼の情報、新しいの出たぜ。今の鬼な、VTuberやってるらしいぜ」

同僚・・・・・本名は、坂田金時さかたのきんとき。何を隠そう、坂田の幼名は、金太郎である。

「ところで・・・・・VTuberっていう情報別にどうでもよくないか??」

「そう思うだろう、俺もそう思う」

はぁ??


まあ、それだけを言いに来たのだろう。帰ろうとした坂田を急いで止めた。

「そうだ、これからさ、俺はどうにかして鬼退治しようとしてるんだが、一緒にやらねぇか?」

「ああ、いいぜ。そうしたら借金なんか吹っ飛ぶぜ」

何で??

「だってさ、これは県からの要求だからさ。謝礼金くれるって」

そうなのか・・・・・理由を聴いていくと、どうやら、鬼たちはハッカーとして県の色んなシステムを壊して行っているらしい。

「てなわけで・・・・・よっしゃ、やるぜ!!もう少しメンバーが必要だな」

桃太郎は言った。

「それなら、俺の友達にいい奴いるぜ」


 坂田に案内され、電車で海辺までやってきた。そこには、若い青年が釣りをしていた。

「よお、浦島」

「浦島?」

浦島って・・・・・・

坂田が事情を説明すると、浦島さんはコクリとうなずいた。

「よっしゃ、乗った!!やったるでぇ!俺の名前は、浦島釣助うらしまちょうすけだ!」

あれ、浦島太郎じゃないの?

「俺は、その息子だ」

「彼は、釣りとフィッシングが得意なんだ」

一緒じゃね??と思って聞くと、

「いや、フィッシングは、フィッシング詐欺だ」

マジか!!!!悪者じゃん!


というわけで、心強い仲間を手に入れたわけだが・・・・・彼、詐欺するやつなんだから悪者だろ、普通。まあ、今は鬼をぶっ倒すことを優先しなきゃいけねぇから、許してやろう。彼に、タピオカをやって、俺は自邸に戻った。


 そして、俺は他に必要な人材を考えると、思いついたのは二つ。一つは鬼のアジトを探す、衛星を操る人。もう一人は、暗号を解いてくれたりする、探偵。そして、サイバー空間の方などに関係する弁護士だ。

パソコンを開け、「にんげんしつもんさいと」を開く。このサイトは、ググっても出てこない情報を人に聞くというサイトだ。俺は・・・・・

「とても腕の利く探偵さんを探しています。誰でもいいので、腕利きの探偵さんを紹介してください。○○県○○市の近所だったら嬉しいです」

と書いて、投稿した。


数時間後・・・・・家のピンポンを押してくる人が来たんで、開けてみた。

「こんちは!私、探偵事務所やってる嶋田知里しまだちさとです!!げんしつで見つけて、すぐ来ました!!」

嶋田と名乗る女性はとても探偵をやっているようには見えない。

「私が探偵か疑っている目ですね。ご心配なく。そのために、これまでの事件記録を持ってきましたから」

ほいさと渡してきた事業記録を見ると、確かにすごい探偵であることが分かった。サイバー関係のことを調べたことも多いらしく、信用できるかもしれない。

「分かりました、それでは協力させてください。えっと、お金はビットコインで払っときます」

「今時~!」


というわけで、これまでのいきさつを話した。当然、坂田のことも、浦島のこともだ。

「なるほど、それは面白い。浦島さんは有能な人材ですよ。鬼はコンピュータで攻めて来てるんですから、こっちもコンピュータで攻めればいい。私はそういう系については詳しい方だと思ってるんで、ぜひ協力させてください!!」

それと、もう一つ聞きたいことがあった。

「暗号?分かりました!」

パソコンを見せると、嶋田は気持ちよくうなずいてくれた。

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