30年後、鬼が蘇った!! ~桃太郎、令和の鬼退治へ挑む~
DITinoue(上楽竜文)
1,鬼が蘇った?!
和風な家の縁側に、一人の中年男性が座っていた。39歳の彼は、世にも有名な男、桃太郎である。
みなも、鬼が島での桃太郎の働きは知っているであろう。おとぎ話の世界観も混じっている、彼の鬼退治。鬼退治のテレビとかも出ているらしいが、彼に勝るものはない。
だが、すでに30代後半の桃太郎。
彼はおじいさんおばあさんを亡くし、パートナーのイヌ、サル、キジも亡くしている。結婚した“かぐや姫”とは、トラブルだらけで離婚している。おまけに、勤めていた建築会社が倒産し、借金も出ている苦しい生活になっていた。
だが。彼はそんなことを気にしない性格である。偉人に例えると、西郷隆盛のようなものだ。
今も、ゆっくりと茶を飲んでいるのであった。
そんな桃太郎の耳に飛んできた報は驚くものであった。
「も、桃太郎君。落ち着いて聞いてくれ」
そう言って詰めかけてきたのは、倒産した会社の同僚だった。近くに住んでいて、今でも飲み会に行ったりする。
「何だい、今からブログとフェイスブック更新しようと思ったのに」
パソコンを膝に、桃太郎は言う。
「鬼が蘇ったらしい」
は・・・・・?って、信じられない!!
「嘘?」
「本当だ」
というなり、桃太郎はパソコンを開け、検索サイトで何かを調べ始めた。
「何を調べてるんだ・・・・・ブハッ」
同僚は思わず噴き出した。Google検索の画面に彼が打ち込んでいたのは・・・・・
『ロケットランチャー 高性能』
バカじゃねえの!!!!
「お、良いもん見っけた」
てなわけで、アマゾンにて、電子マネーで購入した。
さらに、アマゾンで大砲など、いい感じの武器を調べては、次々と購入していった。
「今時のやつ・・・・・マジか」
同僚は、「ひとまず任せたよ」とだけ言い残して去っていった。
とりま、色々武器購入したけど、仲間がいる。前は、(意外とまずかった)きびだんごを後でやるから頼むって言って釣ったけど、今回は何にしよう・・・・・と、思いついたのがこれだった。
「最近は流行が冷めてるけど、俺やっぱこれ好きなんだよね」
た、タピオカミルクティー!!!!
そんな時に、パソコンに異変が起こった。
「何だ?」
すると、ウイルスに感染しましたというメッセージが表示された。
「ウイルスか・・・・・まあ、対策ソフトが何とかやってくれるだろ・・・・・」
パン!
どうやらパソコンはぶっ壊れたらしい。
壊れた後、ファックスで何かが送られてきた。
「ハロー、桃太郎!この暗号を解いたら俺たちの新しい鬼が島が分かるぜ」
と言って、暗号が表示された。
「めめたぶんみつめかめらないよめ!ヒントは・・・・・GANEME」
分かるか!!!!目目多分三つ目カメラ無い嫁??で、ヒントがガンエメ・・・・・いや、ガネメか?ガネメガネメガネメ・・・・・あ、メガネだ。で、これをどうするってのか??分かんない。
でも、まだ続きがあった。
「これはこれは、もう降参ですね。力しかないやつにこんなの分かるわけない!!!
ほんで、あなたのパソコンをハッキングしましたが、いかがですか?今の時代は、コ
ンピュータ。ケケケケケ!!(あおってま~すw)俺の大好物がタピオカじゃなく、
チューインガんだってことがヒントになるわけじゃないけど、これが俺の戦力になる
かーもしれ?ないから、ひとまずお知らせしときました。
タタッとね、かいぎょうしてますんで、これで暗号が分かりやすくなったでしょう
☟ & ☟」
分かんねぇわ。これは単なる暗号?それとも?
ひとまず、パソコンに取り込んでおいた。メモ帳に保存しておいたから、これでいつでも見返すことができる。そして、恨めしくなったこの紙をポイと捨てて、ルンバのエサにしたのだった。
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