第4話 謎の女

「あれーー?ここに居るって聞いたんだけどな?あっいた!」


「はじめまして。私は異世界からこの世界で最も不幸そうな人をランダムで幸せに導く為に来た女神です」


 両手を広げながら語る女神。


「・・・・・・。」


 あまりのびっくりに固まってしまう透。


「あのーー、もしもーし聞いてますか?」


透の顔の前で掌をパタパタさせる女神。


「うわぁっ!なんだ!俺は何も悪い事は  

 してないぞ!」


部屋の隅っこでビクビクしながら丸くなる透。


あー。これはかなり精神的に追い込まれているわね。この人を幸せに導くのはかなり骨ね。


数分後

「少しは落ち着いた?」


「あぁ。って誰だお前は!」


正気に戻り、女神に指を指しながら問い詰める透。


「だから、あなたを幸せに導く為にやって来 た女神だってば!」


「はー?この世に女神ないんて居るわけねー           だろ馬鹿じゃねーの?新手の風俗か宗教の勧 誘か?てかなんで鍵締まってるはずなのに中に入れるんだ、まさか泥棒か?」 


手をパタパタさせながら呆れる透。


「だったら、どうしたら信じてくれるの?」


一気に透に詰め寄る女神。


 近い近いっ、そしていい匂いするな。て馬鹿か俺は!惑わされるな!


「そうだな!今俺が本気で悩んでいる事を当ててみろ!そしたら信じてやってもいいど、その代わり外れたらこっから出てってもらう。女神だったらそれぐらいわかるだろ?」


 ドヤ顔の透。


「分かったわ!」


どうせ、彼女が欲しいだのお金がないだの誰にでも当てはまるようなバーナム効果を利用した事を言うつもりだろうが、そんなんじゃ信じないからな。俺は今それ所じゃ・・・。


「今、あなたはご両親の事故死が悪い人が原因だと知り、心が壊れかけた所、別の人格が芽生えその人格に支配されるか恐れている。とこんな所かしらね。あんまり詳しく言ってしまうと可哀想ですものね!」


長々と語りだす女神。


「なんでそんな事まで知ってるんだよ!しかも、それは最近だぞ!」


戦々恐々とする透。


「お前、女神じゃなくて魔女じゃないのか?」


「失礼ね!私はこう見えても女神の中でもランクの高い女神なのよ。えっへん!」


 腰に手をあて偉そうな態度の女神。


「あんたが女神で幸せを導いてくれるんだったらじゃあなんで、じゃあなんで父さんや母さんを助けてくれなかったんだよ!!」


泣きながら女神に掴みかかる透。


「ごめんなさい。私たちは不幸のどん底にいる人をターゲットにしているの、あなたのご両親が亡くなる前はおそらく不幸と認定されていなかったんだと思うわ。後、私達は運命を変えることができないの。あくまで、助言や警告を言って少しでも幸せの方向に向かうように誘導する事が決まりなの」


崩れ落ちる透に手を添え語りかける女神。


「ふんっ。女神が聞いて呆れるぜ!とんだ駄女神だな。普通は人が不幸になる前に幸せにするのが神様ってやつじゃないのか?」


「さすがに女神は万能じゃないのよ。運命は自分で決めて進んでいくものなのよ」


「分かったよ!とりあえずは信じてやるよ。自分の運命は自分の足で進むべきだな」


涙をゴシゴシ拭いて少し元気になる透。


あれっ。いきなり眠気が。


「ばさぁ。」


いきなりベッドに倒れ込む透。

















 









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