第4話
これは小松と春奈との二度目の冒険だった。
ぼくは真夏の日差しを受ける公園の噴水広場で耳にした。大型メガネ店(アイ玩)では、今度は人が大量にいなくなるのだそうだ。
春奈が夏休みの間に、また真相を暴きに行こうと言いだした。
ぼくの考えでは、老舗の店だから床が古くなっているところがあって、床が抜けて人々がこの町の下水道に落ちて何か月後に出てこれるんだ。
でも、春奈は違う考えだ。
きっと、忽然といなくなった人たちは、メガネを買わなかったから。店の裏庭で店員たちから太陽によって熱せられた大きな鉄板の上で蒸し焼きにされている。
春奈の考えは暑い夏でも背筋が寒くなった。
小松は身震いして、この前のような体験は二度としたくないと頭を抱えていた。
何も考えられない小松は、当てずっぽうで行方不明者はエレベーターが故障して、ボタンを押すと、地下へとストンと落ちていったと考えた。
「へい、いらっしゃい」
正面玄関には、この町に夏のクリスマスを告げるトナカイに乗ったサンタの彫像が飾られている。レジにはメガネを掛けた小太りのおじさんたちがいた。
虹色のメガネを掛けているぼくは、冷房が効いた店内を見回すと、メガネを買い求める大勢のお客の中に本田さんを見つけた。
春奈はサングラスを掛けて呟いた。
「また、依頼が来たのね。それも一日限りの。ねえ、本田さんは無視して、先に事件を解決しましょうよ。きっと、今頃は熱い鉄板の上で行方不明者たちが脂汗を掻いているわ」
銀縁メガネを掛けている小松は小声で春奈に何かを言ってトイレに駆けだした。
ぼくも、まずは床が古くなっていそうな一階のトイレを調べようと春奈に言った。
トイレの中に入ると、お客が4人いた。
皆、用を足しながら、メガネの話しをしていた。
いそいそと小松はトイレで用を足していると、お客の周りの空気は買うのを迷うような雰囲気が漂った。
ぼくは小松を残して、古い床の青いタイルを音を立てて踏んでいると、突然にトイレの中に覆面の大男が大勢乱入して来た。
お客と小松は驚いて、それぞれ口をつぐんだ。
覆面の大男たちは手にマシンガンを持っていた。
「壁に手を付いて後ろを向け!」
大男たちはぼくと小松も壁に追い込んで、壁のタイルを一枚取り外した。
すると、小さな赤いボタンが出て来た。
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