第108話休日にも関わらず、スタッフは集まって来てしまう

話し合いの翌日、真奈と奈津美は、休日を利用して、早速グッズの検討に入った。

ただし、検討に使う場所が、田中珈琲豆店なので、結局、他のメンバーも顔を出す。


真奈はスケッチブックに色鉛筆で描き始めた。

「白地に青は、その逆も横浜のイメージから外せない」

奈津美

「皮より帆布がいいかな、カジュアルさが出る」

「保さんも、それで動いている」

真奈

「海、灯台、船、カモメ・・・」

奈津美

「水兵さんも描いて」


祥子が声を掛ける。

「珈琲入ったよ」


真奈

「助かります!翔子さんの珈琲大好き!」

奈津美

「この時間帯に飲めるって、幸せです」

祥子

「いつもの、この時間は、大忙しだからね」


ドアが開いて美和も入って来た。


祥子は、さっと珈琲を美和に。


美和

「うわ・・・マジに美味しい、ホンジュラス?」

祥子はにっこり。

「当たり!美和さん、スケッチが始まっているよ」


美和

「赤い靴とか赤レンガも描くの?」

真奈

「あ・・・そうか・・・描くかな」

奈津美

「元町の雰囲気もいいなあ・・・描くのが面倒だけど」


ヴィヴィアンとミシェル、美紀も入って来た。

「三人でケーキを焼いたの」


ミシェルがケーキを取り出すと、真奈、奈津美、祥子、美和が大興奮。


真奈

「え?これ・・・サントノーレ?」

奈津美

「え―――マジ?可愛い!すごい!」

祥子

「見ているだけ?食べようよ!」

美和

「フランスでも、パリでも、これは特別のケーキ・・・まさかここで食べられるなんて」


美紀

「丸いパイ生地の上に、ふちにはカラメル掛けの小さなシュー並べて、真ん中にはクリームをたっぷりのケーキ・・・これは贅沢なケーキです」




ドアが開いて、孝太、アラン、保が入って来た。

孝太は、サントノーレケーキを見て、にっこり。

「俺の、レシピ通りのようだね」

アラン

「休日だけど、みんなと動いている方が楽しい」

「サントノーレか・・・いい形をしている、売り物になるよ」

「元町の帆布店への製作依頼と、商店街の顔役にもグッズの話をして来た」

「かなり喜んでくれたよ」


そんなことで、柿崎パン屋と田中珈琲豆店は、休日も関係なく動いている。


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