第103話官房長官と保、父との関係 保の提案

官房長官との話の後、孝太は保と、少し話す。

「保さんには、本当にお世話になって」


保は首を横に振る。

「孝太君のおかげで、これほど繁盛しているのさ」

「それから官房長官とは、若い頃からの付き合いでね」

「真面目な叩き上げの苦労人で」

「地味に見えるけれど、仕事は出来る」


孝太

「そういう感じですね、余計なことは言わないけれど」

「要点を捉えている」

「親父との話には、驚いたけれど」


保は、うれしそうな顔。

「ああ、親父さんのシンパだよ、官房長官は」

「若い頃から、柿崎パン店に通っている」


孝太

「そうですか、知らなかった」


保は話題を変えた。

「ところでさ、この店の二階を改造したい」

孝太

「と・・・言うと?」

「相談に乗ってもらいたい、孝太君のセンスも必要」

「ある程度の宴会が出来るような、スペースに」

「今は、在庫置き場にしている」

孝太

「となると、在庫はどこに?」

「地下に置けるよ、エレベーターもある」

「もともと珈琲と紅茶と器具程度、それほど重くはない」

孝太

「宴会スペースですか、急ぎます?」

「そうだね、大使夫人たちのイベントに間に合うように」


孝太が頷くと、祥子と美和が寄って来た。

祥子

「忙しいの!長話しないで!」

美和

「ヴィヴィアンが怒っているよ、真奈ちゃんも切れそう」


保は苦笑。

孝太は、パン焼き厨房にダッシュで帰ることになった。


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