第78話男子会・・・
女子会の向こうを張ったのか、田中珈琲豆店では、孝太、アラン、保が飲み会になっている。
三人とも料理好きのため、酒のつまみは自前。
孝太が作ったのは、「フライ盛り合わせ、アジフライ、カキフライ、エビフライ、カマンベールチーズのフライ」
アランは生ハムとカマンベールのピザ、サイコロステーキ、チーズ盛り合わせ(フランス大使館提供のもの)
保は和風つまみ。鯛の刺身、松茸の土瓶蒸し、枝豆、漬物、豆腐の味噌漬け。
尚、アランは日本語が不得手のため、フランス語での飲み会になった。
保
「毎日、忙しくてご苦労さん、ありがたいよ」
アラン
「いや、保さん、この鯛の刺身、日本酒に合いますね、これは初めての味」
孝太
「アラン、松茸の土瓶蒸しを試してみて」
アラン
「うん、わかった・・・え?何?これ・・・すご過ぎる・・・はぁ・・・和食も奥が深い」
保
「いや、アランの料理もすごいよ、ワインが進む」
孝太
「このチーズ盛り合わせは、さすがチーズ大国、フランス大使館から・・・懐かしいな、パリが」
アラン
「あのケーキコンペは、本当に驚いた、まさか日本人が優勝とは」
「でもケーキの写真を見て、レシピを見て、納得。味覚に繊細な日本人だなあと」
保は笑う。
「その繊細な孝太君が、こんな豪快なフライをね」
アラン
「アジフライとカキフライ、エビフライは、ビールに合うね・・・」
「でもカマンベールのフライは知らなかった、これも絶品」
孝太
「保さんの豆腐の味噌漬けが泣ける、この味の深さは」
保
「カナッペの上に乗せても美味いかな」
アランは悔しそうな顔。
「パンが余っていれば作るけれど」
孝太は笑う。
「まあ、とても余る雰囲気はなく」
「ありがたいけれどね」
「体力も気力も限界」
アランと保が頷いていると、孝太のスマホが光った。
ヴィヴィアンからのメッセージだった。
「おいおい・・・」
孝太は、ヴィヴィアンからのメッセージを見て、呆れ顔。
「中華の蒸しパンが美味しい」
「胡麻饅頭も美味しい」
「ネギと胡麻のパン」
「ねえ、孝太君、中華のパンも焼いてみない?」
アランと保も孝太のスマホを見て、首を横に振っている。
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