第47話孝太はケーキイベントの構想を練り始めた。

孝太は田中珈琲豆店のピカピカの厨房で、ケーキイベントの構想を、本格的に練り始めた。


「各国大使夫人の出身地を調べる」

「その出身地に伝わる古いケーキを出す」

「話題作りにはなるはず」

「ただ、それだけでは不足、どこでやっても同じになる」

「日本でやるのだから」

「日本のイメージを盛り込まなければ」

「となると、純粋な和菓子を出すか」

「そてとも、和風洋菓子、あるいは和風洋菓子か」

「盛り付けも大切」

等々構想を練っては、ノートに書き連ねて行く。


その孝太の様子を、祥子、真奈、保は何も言わずに見守る。

ただ、祥子が時折珈琲を孝太の前に置く程度になっている。


孝太が構想を練り始めて、約1時間。

孝太がようやく真奈に声をかけた。

「真奈、申し訳ないけれど、色鉛筆あるかな」

「少し色彩も考えたい」


真奈は、孝太の要望に笑顔。

「うん、わかった」

「すぐに持って来る」


真奈から色鉛筆を受け取った孝太は、早速ノートに色とりどりのケーキを並べて描いていく。

また、時折悩んだりもするので、ケーキ描画の枚数も増える。

「難しいな、ケーキを変えるかな、大使夫人の籍の配置も明確にしないと」

「色のバランスが狂う」

「誰に聞くべきか・・・」

「美和お嬢様には聞けないな」

「何を言っても怒り出して始末に負えない」

「となると・・・パティシエ長か・・・」

「それとも、他に誰か?」


孝太が、そこまで考えた時だった。

スマホが鳴った。

孝太がスマホを手に取ると、ヴィヴィアンの名前が表示されている。


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